映画『八犬伝』を観てきました。
ネタバレに気をつけつつ感想ポストするのが苦手だということに気がついたので、こちらでポスト5〜6個分(もう少しあるかも)くらいの短め感想文を。

虚と実、善と悪、戯作者と画家、いろいろな対比が出てきて美しかった。
個人的にアツかったのはやはり真ん中あたりの歌舞伎パート。
東海道四谷怪談でお岩を演じる尾上菊五郎役の尾上右近さんと、伊右衛門を演じる市川團十郎役の中村獅童さん(ややこしい)。他にも歌舞伎役者さんたくさん出てた。
滝沢馬琴や葛飾北斎は映像作品で取り上げられることもあるけど、鶴屋南北は歌舞伎の筋書に書いてある名前を見たことしかなかったから、談春さんが演じてるのを観て初めて実際に生きていた人なんだなあと実感を伴った感がある。
奈落での問答のシーンはとても印象的。
必ずしも善が報われる世の中ではないからこそ物語の中での勧善懲悪を全うする馬琴と、世の中の理不尽さをそのまま作品に反映した南北。相反するようでいて、根底の考えは似ている。
忠臣蔵の芝居に四谷怪談の芝居を織り込むことで、虚と実が裏表の世界であることを描いた…みたいな説明は、この作品そのものの構成とも一致する。
死んだ人も生き返るスーパーハッピーエンドの八犬伝(虚)と何も悪いことしてないのに息子が若くして病で亡くなる馬琴の人生(実)も裏返しの世界といえばその通りだな。
現代を生きる私からするとお路の人生とは…って感じだけど、自らの信念でやり遂げたのであれば素晴らしい。(史実は知りません。あくまで黒木華さん演じるお路への感想。)
何にしても、字がほぼ書けなかったところから8か月で完成させたというのは相当な努力と根気がいったと思う。すごいことだ!
序盤に北斎が馬琴を振り返って言う「絵にならない」と、終盤に言う「あれは、絵になる」の対比がまた美しい。
おじさん2人の付かず離れずの友情?仲間意識?が素敵だった。
「虚」パートで描かれる八犬伝は、あの南総里見八犬伝にだいぶ沿っている(あらすじしか知らないけど)。
ただ「実」パートを織り込むにあたり大幅に時間短縮されてるので「なぜこの人はこの人を討ちたかった?」みたいなのがわからず、ぽかんとしてしまう瞬間もあった。元の八犬伝も知ってたらもっと楽しめたかも。
八剣士として今をときめく若手俳優がたくさん出てたのにエンドロール見るまであまりわからず、自分の年齢を感じて悲しかった。
この美しすぎる踊り子は誰!?と思ったら板垣李光人くんでびっくりした。
我らが坂田さんが結構重要な役どころで出てきて嬉しかった。
描かれてはいないけど、悪女にたぶらかされる前はいいお父さんだったんだろうなあと想像できるおじさん。
哀しい最期だったな…
個人的には先日北斎美術館に行ったばかりというのもあって、富嶽三十六景とか画家の娘とか新鮮な情報がたくさん出てきてテンション上がった。

そんな感じです。おわり。