徒然なるまま

日々の記録

念願の由良之助!『仮名手本忠臣蔵』初日(Aプロ)

吉例顔見世大歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』初日を観劇しました!
例のごとく喋りたいことが多すぎてXだと大迷惑なのでこちらで、呟き程度の短文感想。

口上人形

  • 開演10分前から始まる、口上人形による配役の読み上げ。お役の格(という言い方はあまり好きではないけど)か何かでルールがあるんだと思うけど、結構意外な順番で読み上げられてた。
  • 中盤で突然「中村鶴松」と聞こえ、え、いるの!と動揺したせいでその後の記憶がちょっと薄い。
  • 最後に「大星由良之助を勤めまするは、まーつもとこうしろう!松本幸四郎!」うわー…!ずっと聞きたかったやつ😭 これだけでちょっと泣ける。
  • 昨年仁左衛門さんで観たときは「エヘン、エヘン、エェーヘンッ!」とめちゃくちゃ注目を集めてから読み上げられていて、由良之助ってそうなのかと思ってたけど幸四郎さんはエヘン1回だった。ガッカリとかじゃなくて、むしろ嬉しかった。まだまだこれから!って感じがして。

大序

  • 幕開きでは役者の皆さんが人形のように下を向いてるけど、附け打ちさんも両手を袴に入れて下向いてるのを見てちょっと感動。
  • 米吉さん直義、第一声緊張するな〜
  • 顔世が扇雀さんだと気付いてから時間差で「てことはがんじろはんが扇雀さんにセクハラ!」と気付いて、なんだか変に昂った(笑)セクハラされてる扇雀さんの嫌そうな顔ちょっとおもしろかった。

三段目

  • チャリ場、伴内が家来たちに伝える、加古川本蔵を斬るための合図が前回観たのと違う!前回観たのは松之助さんで、「右足を前に出したら」だった気がする。今回は「「エヘン」と言ったら」おもしろ〜!
  • 鴈治郎さん師直いい!大序と三段目の途中までは憎めなさすぎて、これ刃傷になるか?と心配してたけど(失礼)、後半の畳みかけるような煽りはしっかり憎たらしくて、ちゃんとイラッとした!(褒めてます)
  • 怒りを堪える右近さん判官、目が真っ赤!
  • 「袴が破れるわい!」俳優祭で観た精四郎さんを思い出してしまいました😅

四段目

  • 右近さん判官、自分の切腹はすんなり受け入れてるんだけど、力弥が出てきたあたりからずーっと泣くの堪えるような表情してて… イヤイヤする力弥に2回目の「あっちいけ」するところで右頬にツーッと一筋の涙が… 泣いた。
  • 今回歌六さんが演じてる石堂右馬之丞、いいなあ。由良之助が駆け込んで来た瞬間「苦しゅうない!近う、近う!」立場とか関係なく寄り添ってくれる、すごく人情味のある人物。
  • 幸四郎さんの古典の重厚なお役での発声大好き!低くて地に響くような、少しだけお父さんを彷彿とさせるようなお声。幸四郎さんの「委細」聞けて感無量…
  • 切腹した判官の身なりを整えてあげるところ、愛がすごかった… 九寸五分を固く握った手をギュッと暖めて指を外していって形見をしかと受け取って。それだけで終わらず、九寸五分を離した右近さんの手の甲に自分の手を重ねてもう一回ギュッとするのね。すごかった…!
  • 幸四郎さんが役に入り込みすぎて泣いてしまうのは毎度のことながら、大好き。キマるところは全部ぜんぶかっこいいー!(語彙力がほしい)
  • 昨年観た九太夫は片岡亀蔵さん。亀蔵さんと市蔵さんってお芝居が似てるわけではないと思ってたけど、同じお役で観るとさすがに思い出しちゃう。すっごい似てる台詞回しのところがあって泣いた。
  • 幸四郎さんの勢いが良すぎてちょっと乱れてしまったござをさりげなく直す吉之丞さんよかったです👏
  • 九太夫や若侍にはまだ打ち明けてない由良之助の本心を唯一知ってて全面協力体制の原郷右衛門を演じるのが、高麗蔵さんというのがまたいい。城明け渡しのところで染五郎くん力弥を加えた高麗屋3人の空間ができてたの、とてもよかった…

落人

  • 錦之助さん&八代目菊五郎さん、文句なしの美男美女!綺麗だった〜!
  • 虎之介さんの踊り好き。力強くて、なぜだかすごく惹かれる。

五、六段目

  • 隼人さん勘平すごくよかった!まずはもちろん顔がいい。落人での錦之助さん勘平からの、隼人さん勘平。笑
  • これまで観たのと違う部分が何箇所も。型の違いなのかな。
  • 勘平が住所を弥五郎に伝えるところ、弥五郎がメモしなかった。勘平が話し始めたのを弥五郎が制してまずは火を…ってくだりもなく、勘平が話す前に火を勧めてた。
  • イノシシが1周しないですぐに捌けた
  • 勘平が数右衛門と弥五郎を迎え入れるときに、押し入れから大小を出してた。これまで観たのだと、紋服に着替えるときに腰に差してたのかな?
  • 九太夫が「五十両〜」の直前にニヤリとするの初めて見た。松緑さーん色気がすごいよ!
  • お才が源六を 「人の家で肌出してみっともない!」と叱るところ、時蔵さんが若いからか気心知れた2人だからか、なんだか喧嘩みたいで楽しかった。怒られてシュンとしながらブツブツ言う亀蔵さんかわいいww
  • 勘平とおかるの別れが途中までとてもサラリとしてるように見えたんだけど、だからこそ「おかる待て」「はいー!😭」がよかった。おかるはそれをずっと待ってたんだよね…
  • 口上人形で聞いて期待してた、幸蔵さんのめっぽう弥八!すごくよかった〜!
  • 又五郎さん数右衛門、顔は険しいけど優しい。橋之助さんもずっと勘平のことさすってあげる優しい弥五郎。
  • 隼人さん途中まで汗もかかず涙も流さず綺麗すぎるなと思ってたら(※それが悪いとは思ってないです)、最後の最後「46人目に加える」のくだりで真っ赤な目から大粒の涙。ここまで引っ張って泣かされると思わなかったー!

七段目

  • 一力茶屋に乗り込んでくる3人が宗之助さん廣太郎さん吉之丞さんという「幸四郎組!」みたいなメンツで楽しい。てか宗之助さんの赤垣源蔵いい!前回も若侍の中にはいたけど(調べたら佐藤与茂七)、今回はリーダー格の赤垣。似合ってたしかっこよかった!
  • 幸四郎さんの「由良さんこちら」想像どおり似合う〜!
  • 幸四郎さん由良之助と染五郎くん力弥の親子の場面、アツい…!力弥としてお祖父さんの由良之助と共演した思い出を度々語ってる幸四郎さんが、由良之助として息子と共演してるとか…!
    役柄上そうなんだけど、目を合わせないところが妙にリアルで親子っぽい。
  • 由良之助と錦吾さん九太夫のところに蛸肴セットを運んでくるうちのひとりが、錦一さん。\高麗屋ァ!/蛸肴は形状それでいいんですか…!?羊羹…?
  • 「見立て」のところ、1つ目が「歌舞伎座初日、大入満員ありがとう😊」緑さんと仲四郎さんが一緒にいて嬉しい。たまにインスタでイチャイチャしてる同期コンビ!
  • 幸四郎さんと八代目のじゃらじゃらは眼福。梯子から降ろしてあげる場面はニヤニヤしちゃった。
  • おかるを殺すつもりで身請けすると言った由良之助と、身請けに喜ぶおかるの対比… 扇子でおかるから顔を隠す幸四郎さんの泣きそうな顔よ…
  • 萬太郎さん平右衛門、すっごくいい!結構歳の差があるおかるとのコンビだけど、ちゃんとお兄ちゃん!優しそう〜!時蔵さんとの七段目も観てみたいな
  • 七段目は前回の通しの仁左衛門さんと愛之助さんしか観たことがなく、そのおふたりは同じ型のはずだから、今回との違いが顕著だった。
  • 由良之助が頭につけてるギザギザの紙(なんていうの?)は、平右衛門が回収してた。なぜ。てかそれ何ですか?
  • 由良之助がおかるの手を取って九太夫を刺すところは、床を貫通させるんじゃなくて下に降りて正面から直接グサッ!

十一段目

  • 幸四郎さん、赤穂義士といえばこれ!の黒の羽織がよく似合う。陣太鼓、よく聞くあのリズム(一定なんだけど1拍目を強く叩くあれ)で実際に叩いてるところ見られるの嬉しいな。
  • 歌昇さんと種之助さんの泉水の立廻り、とんでもなくアツかった!歌昇さん小林を見て「私が引き受ける!」と飛び出してくる種之助さん竹森、一目で戦力拮抗の好敵手だと見抜いたのかな。雪かけ合うところは幼いふたりが雪遊びしてるみたいで一瞬だけほっこり。種之助さん、歌昇さんを飛び越えたり地面を転がったりなかなかのアクロバット!歌昇さんも歌昇さんで動きづらそうな着物を腰に巻いて激しい立廻り。一歩間違えば危険なことをしてると思うんだけど、互いに全く遠慮がなくて!おふたり、互いに命あずけ合ってる…?
  • 炭小屋、鶴松さんは2列目中央寄り下手側。発見できてよかった〜 義士もよくお似合いです。歌舞伎座復帰おめでとう!
  • 勝鬨はやっぱり泣ける。みんなお疲れ様…!
  • 花水橋は、橋の向こうから1列ずつ順番に出てくるんじゃなくて浅葱幕が落ちたら全員が揃って並んでた。これに関しては順番に出てくるほうが好きだったなー!
  • 最後に出てくる梅玉さん服部逸郎が本当に素敵!「討ったか、討ったか!」でいかに義士たちを気にかけてたのかがよくわかる。石堂右馬之丞といい、やっぱり誇り高き武士は義士たちの思いをよくわかってくださるのね。
    最後の最後、義士たちが順に捌けた後に梅玉さんと幸四郎さんふたりになるのも胸が熱くなった。
  • 晴れやかに幕。とってもよかったー!

待ち焦がれた舞踊自主公演『紫薫』

松本幸四郎さんと尾上紫さんの自主公演『紫薫(しくん)』を観劇しました。

いやーすごかった…
私はこの人を好きになってよかったと心から思いました。
以下、ただの記録と感想箇条書き。

 

長唄「旅」

  • 揚幕から幸四郎さん紫さんの順に登場。橋掛かりでいったん止まってふたりでお顔をよく見せてくれる。美男!美女!!
  • 幸四郎さんは素顔。水色の着物に黄色?ベージュ?の袴。幸四郎さんの浮線蝶の紋🫶
  • 紫さんは白塗り。ピンクがかった紫色のお着物。見たことのある尾上流の紋(調べたところ、菊菱というみたい)。紫さん、お顔がとってもキュート!
  • 予習不足でどういう曲なのか知らずに観たのですが、思いの外わかりやすい振りが多くて楽しい。
  • 雨が降ってくるところ、ふたりとも扇子を使って雨風を表現してるけど個性(というか男女の違い?)が出てておもしろかった。
  • 扇子を2人合わせてバッ!って開くところ、ピッタリ揃ってて気持ちいい〜!
  • 3か月くらい連続で舟を漕ぐ幸四郎さんを見ている。好き🫶
  • 「祇園宵宮の〜」のところのダイナミックな振りがかっこよかった!
  • お祭りのところで、お人形みたいなチマチマした足取りで歩いてくるのがかわいかった。お祭りの山車人形を想像したんだけど、どういう意味なのでしょう?イヤホンガイド欲しい。
  • それぞれ別のタイミングで相手の肩をトンッてやる振りがあった。幸四郎さんは紫さんに手を当てないけど、紫さんが幸四郎さんを叩くときには「パシッ」て音が聞こえた。笑
  • 幸四郎さん、大発汗!曲中、手拭いで汗を拭う振りがあったから、それで本当に拭いたらいいのにと思っちゃった。そしたらその手拭い、後で紫さんに返すのね。それじゃあ拭けないわ。笑
  • その後紫さんが手拭いを広げてこちらに見せてくれる振りのとき、少しだけど濡れてて笑っちゃった。

 

お話「ふたり語り」

気心知れたおふたりだからこそのふんわりとした掛け合いがおもしろかった。印象に残ったお話だけ。

  • 開口一番まずは謝罪😂「運営に不慣れで…いろいろとご迷惑をおかけして…申し訳ありませんでした…!」紫薫事務局からのメールの中には幸四郎さんが送ったものもあったとのこと。「丸とかつけていいのかわからなくて…」明らかに異色の、句点ゼロのメールが1通ありましたね。笑
  • 紫さんは、お父さんの墨雪さんと西川左近さんが「旅」を踊っているのを見て「いつか相手が見つかったら踊りたい」と思っていた。そしたら「見つけた…!!」(幸四郎さんを示しながら)と。それを聞いた幸四郎さん、昼公演ではただ嬉しそうにしてたけど、夜公演では「随分かかりましたね…結構会う機会あるんですけどね…」と、照れ隠しみたいなツッコミをしてた。
  • やっぱり出た菊之丞先生のお名前!昼公演では幸四郎さんがなぜか恐る恐るといった感じで「弟…さんの……」と切り出してたのに対して、夜公演では紫さんのほうから「弟の菊之丞が親しくしてて…」と切り出してたのがなんだか嬉しかった。
  • 次の演目の支度のために紫さんが先に捌け、ひとりになった幸四郎さんはグッズの宣伝(これもおもしろかった)。そして幸四郎さんが捌けるとき、揚幕の手前で立ち止まってジェスチャーで「ここ!出て正面!」とグッズコーナーの場所を主張してた。笑

 

新作「昼の月」

  • おふたりが出てくる前、鏡板の松にかかるように満月が映し出されてるのがとっても素敵🌕
  • 音楽が現代的!唄に女性がいらしたんだけど、男女それぞれの心情を歌い分けるのに加えて男声と女声のハーモニーのパートもあって、めちゃくちゃ神秘的で綺麗だった。
  • あと、囃子方の左太助さんが吊ってあるシンバルみたいなの(ウインドゴング?)とか鉄琴とかやっててマルチプレイヤー!となった。
  • 照明が落ちて真っ暗な中、幸四郎さんは揚幕から、紫さんは切戸口から登場。
  • 幸四郎さんは緑色っぽい衣装(木を切る人だからたぶん動きやすい服装なんだ)(適当)に、黒の袖なし羽織。
  • 紫さんは黒のお着物。お月様の模様が綺麗〜!その上に、黒の薄い羽衣みたいなやつ。髪をお団子にしてそこから真っ黒のリボンを垂らしているので超ロングポニーテールみたい。
  • 紫さんの美しさが尋常ではない。儚くて透明感があってすぐに消えてしまいそう。でも確かな意思の強さを感じさせる表情。紫さんに見惚れて幸四郎さんを見るのを忘れてしまうくらいだった。
  • ただもちろん幸四郎さんも美男子。若い。ふたりとも若い。
  • すごい世界感の作品だった…!悲しい?切ない?なんとも言葉にし難いような。当事者だったらつらいけど、側から見てるとなんと荘厳な愛の物語だろう…という感動。
  • 幸四郎さんと紫さん、美しさの中に儚さや哀しみをたたえている(ように見える)ところが同じ属性だなーと感じていて。そのおふたりの共通点が強みとして最大限生かされた作品だと思った。あの曲をやるのに最もふさわしいふたり。お互いを相手に選んでくれて本当にありがとうございます…🙏
  • 物語もさることながら、ビジュアル面も計算し尽くされてるなと思った。曲中、月の光に照らされる二人の影のなんと美しいことよ…!
  • 「月の主は私がつとめる」で、月の光を一身に浴びながら両手広げて歩いてくる幸四郎さん、最高にかっこよかった!
  • 100%ポジティブな意味で、幸四郎さんはやっぱり役者だなと思った。
  • 夜の月様(紫さん)を見つめるときの、心から愛しくて大切で、でも自分なんかが触れていいのか…みたいな、大切に思うがゆえに距離をとるような表情や仕草が繊細で。
  • でも月様の暴走を止めるときにはガシッと力強く体やら手首やらを掴んじゃうの、桂男(幸四郎さん)の役割ゆえの使命感というよりは、大切な月様にこんなことをさせてはならない、みたいな深くて強い想いを感じた。
  • 月様がいなくなった後に桂男が残された扇子を見つめる振りがあるけど、その2回目、一瞬だけグチャッと表情が崩れたように見えて、夜公演だったから展開知ってるのに、そこで泣いた。
  • 夜の月様がたぶん昼の月になって幸四郎さんには見えなくなっちゃって、でも紫さんにはわかってて。返ってきた扇子を見つめる表情は切ないんだけど、紫さんひとりのラストは美しさとともに力強さも感じてとってもよかった。

 

カーテンコール

  • 「昼の月」が終わり舞台が明転すると、座礼したおふたりが。幸四郎さんが「本日はありがとうございました」とご挨拶し、演奏家の方々にみんなで拍手しておふたりも捌けておしまい。
  • 夜公演だけ、もう1回出てきてくれた。
  • ふたりで正面→脇正面→中正面の順に礼。中正面は「柱に隠れて姿が見えない」というくだりを何度かやってたことを踏まえて、笑いながらふたりで舞台ギリギリまで出てきて柱の両脇からお辞儀してくれた(夜公演は中正面の席でした🙌)
  • 幸四郎さん「本日初日を迎え、千穐楽を迎えることができました!」笑
  • ふたりで礼して捌けていくも、橋掛かりでまたなんかわちゃわちゃし始める。「喋りなよ」「えーそっちが喋りなよ」と女子高生みたいなやりとりをオフマイクでひとしきりしつつ、舞台に戻ってきた紫さんがご挨拶。「紫薫を今後も続けていきたい」と話してくれて胸熱。
  • そのまま終わらせようとするも、紫さんに促された幸四郎さん「また次回!👋」本日いちばんの、晴れ晴れとしたいい笑顔だったー!

 

総括

  • 「旅」「昼の月」ともに、好きな女に振り回される幸四郎さんが見られて最高だった。振り回されてるにもかかわらず、かっこよさも色気も損なわれないのはさすがすぎる。
  • また汗の話をするんですけど、特に昼公演の「旅」がすごくて。夜もかいてはいたけど昼ほどではなかった気がする。そういえば8月のらくだも初日だけえらい汗かいてたな。ブログやSNSで「緊張してます」みたいなこと仰ってるのをいつも「またまた〜」と流してたけど、もしかして本当に初回はめちゃくちゃ緊張するタイプだったりします…?(愛おしい)
  • 紫薫の開催が発表されてから当日までの公演期間を通して、紫さんへのイメージがクールビューティーからキュートに変わった!昼のふたり語りのとき、「柱に隠れて姿が見えないお客さんがいるから動きながら話して」と幸四郎さんから言われたことを忠実に守り、夜公演でもちょこまかと動き続ける紫さん🫶 かわいすぎて、手振りたくなっちゃった。

 

本当にいい公演でした。おふたりがトークとカテコでも仰っていたように、紫薫が今後も続いていくことを心より願っています!

 

 

秀山祭九月大歌舞伎2026(夜の部)感想など

秀山祭九月大歌舞伎の感想などメモ、夜の部。
昼の部から引き続き、短文の箇条書きです。

 

基本的には3回ずつ、沼津だけ幕見も合わせて4回観ました🙌

沼津
初回(Bプロ幸四郎さん)

2回目(Bプロ幸四郎さん)

3回目(Aプロ仁左衛門さん)

全体的に
  • 荷物を持つのにヨタヨタしてた歌六さん平作、ちょっと調子が出て歩けるようになってきたときの、音楽にのって合いの手入れるように言う「どっこい♪」がたまらなく好き🫶
  • 客降りのとき、十兵衛と平作の進み具合をずっと目で追いながら小さめの音で三味線を弾き続けるおふたり(筋書で確認したところ勝二郎さんと一二三さん)。2人が花道に上がったら、特に何か合図するわけでもなくピッタリ揃えてフェードアウト。からの、ハッ!の合図で通常の音量で弾き始めるの。この仕事人感に痺れた
  • 平作、松の根にキレるし枕にキレるしすぐ調子乗っちゃってチャーミングだけど、それが後半に効いてくる。娘のために命捨てちゃうの…「俺のももひき履いて寝ろ」は冗談っぽく言ってるけど、こうやって何度もさりげなく娘を守ってきたんだろうな…と想像させる歌六父さん
  • 歌六さんがお家の段差に片足かけてキマるところ、めちゃくちゃかっこいい〜!
  • 十兵衛が平作のお家出発するときの竹本の詞章「心に一物 荷物は先へ…」ここしか聞き取れてないけど、とても好きな感じなので他の箇所も気になる
  • (Aプロの感想)最後の転換すごい!盆が回るんじゃなくてお家ごと後ろに下がり、屋根が平らになったかと思えば屋根ごとパタンと絵本みたいに下に閉じて、そこはもう千本松原の景色!思わず拍手した
  • お父さんご臨終のときの十兵衛、本当は抱きしめたかっただろうに、ずっと父と一緒に過ごしてきた妹にその場所を譲って、自分は少し離れた場所から見守るのが切ない
  • 【沼津棒鼻】空の隅に見えてる雨雲が心配→【平作住居(花道)】「降らねばよいが」→【千本松原】小雨が降ってきて、親父様に傘を差しかける…と、時間の経過と情景と人物の心情がシンクロしてて、なんとも胸がギュッとなる。毎回「ああ降ってきちゃった…」ってなる🥺
4回目(Aプロ仁左衛門さん/千穐楽)
  • 今まで席が遠くてあまり聞こえてなかった十兵衛と平作の花道でのやりとり、初めてちゃんと聞こえた!「昨日まで松の根なんてなかった」「急に出てきたあいつが悪い」とキレ続ける歌六さんに「自分のことは置いといて人に怒るのはよくない」「やめなさい😅」と諭す仁左衛門さんww
  • 花道で平作が荷物倒しちゃったのは初めて見たけど、あまりに自然すぎてハプニングとも思わなかった。「倒してしまいました(てへっ)」と謝る歌六さんに「いやいや」と笑顔で手を振る仁左衛門さん。歌六さんが杖を腰に回すパフォーマンス?してる最中に、ひとり黙々と荷物を立て直す仁左衛門さん。ここで大して申し訳なさそうでもなく謝るのが平作すぎたし、嫌な顔するでもなく笑顔で引き受けるのも十兵衛すぎた…!
  • 十兵衛が平作のお家から出発するところ、妹に「年寄った親父どのを大切に」みたいなこと(うろ覚え)言った後、聞こえるか聞こえないかくらいの声で仁左衛門さんが「たのむ…!」と言うのが聞こえた。まだ何も明かせない十兵衛の心の叫び…😭
  • 最後の千本松原の場面の仁左衛門さん、しっかり泣いてた。仁左衛門さんほどの方なら涙流さずとも「泣いている」ことを伝えられるのに、それでも涙を流すのにめちゃくちゃ心打たれてしまい、こちらも大号泣😭
  • 自分が観た席の違いとかもあるだろうけど、千穐楽の仁左衛門さんはなんというか、悔しいくらい圧倒的だった。

 

京人形
初回

 

一條大蔵譚
初回

2回目

3回目(千穐楽)
  • 素顔では感じたことなかったけど、初めて歌昇さんと種之助さん似てると思った。やっぱ夫婦って似てくるって言うもんね…いや兄弟だわ!ってなった
  • 染五郎くん、やっぱり顔がいい。役を演じてる役者さんに顔のことばかり言うのは失礼かと思うけど、やっぱりどうしても顔がいい。染五郎くんの素顔が好みど真ん中かと言われると正直そうではないんだけど(塩顔が好きなため。「美」「イケメン」とは毎日思ってます)、公家かつ阿呆の柔らかめの化粧で染五郎くんのシャープな顔立ちが中和されて、好みの顔になってるんだろうな。
  • 元のお顔のつくりというだけではなくて、化粧の研究とか表情の作り方とか広い意味で、顔がいい!
  • 高麗蔵さん鳴瀬の簪、四ツ花菱だった!あと染五郎くん大蔵卿の衣装の前に垂らしてる帯みたいなやつ(なんていうの?)も! この記事↓の2枚目の画像www.tjapan.jp
  • 吉右衛門さん大蔵卿の写真見ると替紋の「村山片喰」ってやつっぽいから(↓参考にした画像)、ここは役者の紋なんだ!

    enmokudb.kabuki.ne.jp

  • 染五郎くんについてた黒衣さんは、たぶん幸蔵さん?
    鬘桶出したり片付けたり、小物渡したり、ぶっ返りに向けて徐々に引き抜いていったりと、仕事が多いけど安心感しかない。かっこよかったー!

 

雛鶴三番叟の感想がない…

お三方ともお綺麗だったのと、萬壽さんの足拍子がかっこよかったということだけ覚えてる。

 

 

 

秀山祭九月大歌舞伎2026(昼の部)感想など

秀山祭九月大歌舞伎が全体的にとってもよかったので感想などメモ。

ほぼXで呟く程度の短文の箇条書きです。とりあえず昼の部。

 

1、2回目は3階から、3回目に観た千穐楽は1階の最前列でした🫶

 

春調娘七種

初回の感想
2回目の感想

↑「染五郎くんが演じる五郎」を略そうとしたら「染五郎」とシンプル呼び捨てになってしまったので悩んだ結果の「そめ五郎」

3回目の感想
  • 團子くん十郎が目の前〜!3人揃って舞台中程から客席側に歩いてくるところ、こっちに迫ってくるのでビビってちょっと身を引いてしまった。笑
  • 五郎が鼓を置くところ、直後に静が転がすのに差し障りがあるからか、紐(調緒?)を気にしてるようだった。綺麗に転がってよかった。
  • いつもどおり、團子くんは中盤からビッチャビチャ
  • 辰之助くん静が後見さんに姫ジケ直してもらってるの見られた〜!これ大好き

 

三社祭

初回の感想
2回目の感想

3回目+全体的な感想
  • 2人しかいないのに「目が足りない…!」ってなる
  • 1階1列だとおふたりのパンツ(褌?)見えそうになる、というかガッツリ見えました
  • 歌昇さんの息づかいが聞こえた!あんな激しい動きするのにお面咥えてるから口呼吸できないって恐ろしい演目。酸欠になりそう
  • 2人がセンターやや上手寄りの位置で前後になる(武成がしゃがみ、浜成が後ろに立つ)ところで、歌昇さんの目線がこちらに…!あんなにコミカルなお顔してるのに色気がすごい。ずるい
  • 種之助さんは跳んだりターンしたり、ひとつひとつの動きのキレがすごくてまばたきする隙がない
  • キレキレなのに「キレキレですよ!」感がなくて、あくまで軽やか。種之助さんの踊りはそこが好き!!!
  • 種之助さん、お面の中でもずっと笑顔でかわいい。まあ善玉悪玉ってお面界では視界広い方ですからね ↓出典youtu.be
  • 歌昇さん、プライベートで種之助さんからあんな笑顔向けられることないだろうから(勝手かつ失礼な想像)舞台上だと満面の笑み向けられて嬉しいだろうな
  • 今回の、というより三社祭の好きなところだけど、扇子スッと投げて後見さんに渡すところ大好き!それを涼しい顔でこともなげに受け取る後見さんもかっこいい
  • 観てる間ずーっとニコニコしてた、私が。

 

ひらかな盛衰記

大津宿屋・笹引き
初回の感想

3回目の感想

  • 大津宿屋で権四郎がお筆たちに言う「ご縁があればまた会いましょう」があまりにも悲しい伏線でつらい。ご縁はあったわけだけどさー…そんなご縁って…
 
逆櫓
初回の感想
2回目の感想

3回目+全体的な感想
  • 又五郎さん権四郎はもう、最初から最後までずっと泣ける。槌松帰ってきた!と無邪気に喜ぶ様も、死を知ってからの悲しみも怒りも、樋口を売った後の「間違ったことはしてない、けど、けど…!」の苦しそうな顔も。今後も樋口のこと思い出しては「あれでよかったのか」と悩んだり後悔したりするんだろうな…
  • 樋口の「頭が高い」のところ好きすぎて、台本メモして暗記して観劇した。「権四郎、頭(ず)が高い。イヤサ頭(かしら)が高い。天地に轟く鳴るいかずちの如く、御姿は見ずとも、さだめて音にも聞きつらん、これにおわすは朝日将軍、木曽義仲公の御公達駒若君、かく申す某は、樋口の次郎兼光なるわ。」幸四郎さんの口から出てくる台詞を脳内で同時に再生できるの気持ちよすぎた。笑
  • 駒若丸を殺さないよう頼み込まれた権四郎、葛藤して最終的に得心にいたるけど、最前で観たときだけ又五郎さんの一言目、消え入りそうな、本当に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声の「わかりました…」が聞こえた😭
  • 樋口と権四郎の心が通じ合ったところ、竹本の詞章がまたいい。「互いの心ほどけ合い 千里の灘の浮かれ舟 港見つけし如くにて よろこび合うこそ道理なれ」
  • 樋口は、駒若丸を探してたし顔も知ってたのに、お筆が家に来て成り行きを語るまでこの子が駒若丸だと気づいてなかったんだよね?(なぜ)
  • ということは、帰宅してから「パパとお昼寝しようね〜」ってお部屋に入るまでに駒若丸に向けるあの「かわいくて仕方ない」みたいな眼差しはすべて本心…!メロメロ
  • もちろん槌松のことも親として愛してた。「血をわけぬ子が子となりて、忠義を立てしその嬉しさ」…樋口、松王丸でもあったのね😭
  • 遠見で、樋口を殴るのは富蔵ということを確認。昼も夜も(昼は本人ではないけど)染五郎くんに痛めつけられる幸四郎さん。笑
  • 千穐楽は細いほうの傷!左目の下に雫のような血の跡があって、泣いてるように見えた…

  • 最後の場面、登場した幸四郎さんしか見てなくて、気づいたら目の前にほぼ素顔の染五郎くんが立っててビビった。直視できなかった。
  • 樋口が船頭ズのこと「蟻みたいなもんだ」って言うところ、染團辰のアリ姿想像しちゃう。かわいい。
  • 立廻り、幸一郎くんが本当に大活躍!いちばん最初に出てきて側転・バク宙・なんか組体操みたいなのして。碇の場面では幸四郎さんの「ハッ」ていう合図で幸一郎くんが縄切ってとんぼ返って幸四郎さんに踏まれるのね。幸四郎さんのことよく見てタイミング計ってて、真剣な表情だった。ああいう配役誰が考えるのか知らないけど、信頼?というか期待?されてる〜!と、えもいわれぬ感情に…
  • 松緑さん畠山重忠が出てきたとき、敵か味方かわからないからとりあえず手でおよしをかばう樋口、いい旦那さん🫶
  • 権四郎の真意を知ったときの幸四郎さん樋口の表情😭 自分は捕まることになったのに権四郎への深い感謝が見えて😭 号泣…
  • これ↓超うろ覚えだった割にはいい線いってた。「よその千歳は知らねども この身につらき有為無常 老はとどまり 若きは逝く 世は逆まの 逆櫓の松」
  • あ、1列目では幸四郎さんのパンツ(褌?)も見えました!

 

 

琴線に触れまくり『御浜御殿綱豊卿』

七月大歌舞伎『御浜御殿綱豊卿』にすっかり心奪われてしまったので、感想や残しておきたいことなど。幸四郎さんメイン。

この演目は初見だったけど、今月ABプロ合わせて4回観ました!

 

初見の感想

完全なる初見時(Aプロ)の感想↓

この作品、必ずしも登場人物の感情と言動が一致しているわけではないので、初見だと物語が掴みにくい。

一見しておかしみを感じるような言動も多いので、会場では笑いが起きがちだし、私も初見では笑ってしまった。

煙草カンカンカン!とか「もう1、2度入れと言ってくだされば…」とか。(後者は幸四郎さんの言い方も大きい。笑)

だからこそ「それなれば私も申し上げたいことがござります!」とついに綱豊に向き合う瞬間の切り替えにはめちゃくちゃときめいた。

 

2回目の感想/A・Bプロの違い

2回目はBプロ。前日に歌舞伎家話で松也さんと隼人さんのトークを聞いていたので気分も高まる。

家話の中で、松也さんは仁左衛門さん、隼人さんは幸四郎さんと、それぞれWキャストの先輩から教わっていたことを知る。

(個人的には仁左衛門さんが隼人さんに対して「幸四郎さんから教わりなさい」と言ったという話がとてもアツい。)

2回目だったこともあり、この演目についての記事などを読んでいたこともあり、物語がだいぶ理解できた。

Bプロのお二人、仁左衛門さん幸四郎さんとのWキャストなんて比較されて大変だろうな〜…と、かなり失礼なことを考えながら観たわけですが。

いやいや負けてなかった!というか、良さの方向性が全く違った!

松也さんが綱豊を演じるのは2回目、隼人さんの助右衛門は初役とのこと。

Aプロのお二人が経験を重ねて独自色を出しているのに対して、Bプロのお二人は基本に忠実なのかなと思った。

つまり、とてもわかりやすかった。

例えば最初の茶屋の場面、綱豊がお喜世ちゃん(演:莟玉さん)に「助右衛門は今日、吉良が来ることを知っているのか」と聞いた後の一瞬の間。

松也さんは、驚くお喜世ちゃんの全身上から下まで目を走らせて、その反応が嘘でないかしっかり見極めようとしてた。

仁左衛門さんもおそらく同じ意図の確認をしていたけど、松也さんほど明確ではなく、一瞬見つめるだけだった。

物語に即していえば仁左衛門さんver.のほうがよりリアルで、かつお喜世ちゃんを信頼してる感があった。

でも松也さんver.のほうが初見にとってはわかりやすい。

助右衛門もそう。隼人さんはひとつひとつの台詞をはっきり発音するから聞き取りやすく、意味も掴みやすい。

一方で幸四郎さんは、ここぞ!というときに、あえて感情を先走らせたような話し方をする。正直、聞き取れないこともある。

初見に優しいのは隼人さんver.だけど、一度観て内容を理解した後だと、幸四郎さんver.にめちゃくちゃ感情を乱される。

どちらがいいというのでは全くなく、どちらも本当にいい!良さの方向性が違うのです。

(個人的には、今月1回ずつ観るならB→Aの順番がおすすめ)

 

細やかな幸四郎さん助右衛門

内容をある程度理解してから観ると、幸四郎さんが最初からかなり細やかな芝居をしてることがわかった。

(※私は幸四郎さんのファンなので幸四郎さんのことばかり書きますが、当然ながら他の方も細やかな芝居をされています)

助右衛門が初めて綱豊と対面したときに「眼中が鋭い」と言われるけど、1つ前の一見コミカルな廊下の場面からすでに幸四郎さんは鋭い目つきをして吉良が通るはずの門を睨んでた。

そして綱豊との場面では、序盤から些細な発言にハッとしたり涙目になったりと、ひとつひとつの仕草がとても繊細。

徐々に互いの感情が昂って反応も大きくなっていくけど、ただ拗ねてるようにしか見えなかった序盤からもう戦いは始まっていたのだなあ…

初回観劇時の感想で「ボケモードからの切り替え」と書いていたけど、この作品にボケなんて存在しなかった。

最初からバッチバチのギラッギラの芝居だった(自分の語彙力のなさが恨めしい)

 

圧倒的な仁左衛門さん綱豊

やっぱり仁左衛門さんは圧倒的だな…別格だな…と何度も感じた。

勘解由(演:歌六さん)との場面で「討たせたいのう…」と本心を見せ、赤穂浪士のために泣いてくれる仁左衛門さん。

「そち達を信じたいのだ!」と力強く言い切ってくれる仁左衛門さん。

自らの身を危険に晒してまで助右衛門の暴走を止め、本気で叱ってから逃がしてくれる仁左衛門さん。

全部全部、圧倒的。綱豊という人物の大きさも相まって、本当に「でっかい」。

それから、助右衛門が「将軍の座を狙ってるから作り阿呆をしているのか」と命知らずなことを言うあの場面。

基本的にニコニコと穏やかな仁左衛門さん綱豊の変わりようがすごかった。

腹の底から響くような低く厳しい声での「言え!」の迫力。殺気。本当にすごかったな…

いやー仁左衛門さん、圧倒的…

 

観客を置いていかない莟玉さんお喜世

綱豊と助右衛門の問答の場面、お喜世の存在がかなり重要だなと感じた。

浪人となった助右衛門が綱豊に目通りするのは恐れ多いことで、にもかかわらず憎まれ口をきくのは信じられないくらい無礼なことなんだろうな、というのはなんとなくわかる。

でも、どれほど恐れ多いことなのかというのが現代人には(少なくとも私には)今ひとつピンとこない。

そんな中で、お喜世ちゃんがずっと気まずそうにしていたり、助右衛門の発言に怒って綱豊の様子を伺ったり、ついには斬りかかろうとまでして、今の助右衛門の言動がどれほど無礼なものなのか、ということをリアルタイムで教えてくれるから、かなり理解の助けになった。

(あえてではあるけど)無礼すぎる助右衛門と、寛容すぎる綱豊の間にあって、唯一の常識人。あの世界と観客の橋渡し的な存在だなと感じた。

そして、演じる莟玉さんがめちゃくちゃいい!

外見があんなにかわいいから、綱豊からの寵愛の説得力がすごい。

それに、表情から感情がすごく伝わってくるから、他の人が話してる場面でもつい莟玉さんを見たくなってしまう。

ラストの助右衛門と二人の場面は迫真で、あそこ、泣かずに観られたことが一度もない…

今大事にしてくれている綱豊への感謝も敬意も、かつて奉公していた浅野家への恩義もどちらも本物で、ものすごい葛藤の中で覚悟を決める顔、本当によかったです。

キュートな外見で芯のある女性というのは最高ね。

 

助右衛門とお喜世ちゃんの関係/A・Bプロの違い

個人的に、AプロとBプロの違いが出ていておもしろいなあと感じたのがここだった。

前提として、助右衛門とお喜世ちゃんは共に浅野家に仕えた元同僚どうし。

血の繋がりはなく、お喜世ちゃんが綱豊に奉公するにあたって助右衛門の親をお喜世ちゃんの仮親としたため、書類上では兄妹になったという関係。

今月の舞台にはなかったけど、戯曲には最初の茶屋の場面のさらに前に、この二人の「隙見をさせろ」「無理だ」という言い争いの場面が書かれてた。

(その言い争いでは助右衛門が結構ひどいことを言ってるんだけど、お喜世ちゃんに泣かれて必死に謝るのが兄っぽくて私は嫌いじゃない。笑)

あ、あと助右衛門には妻子がいる。

これらを踏まえても、関係性が違って見えておもしろいなという話。物語の解釈とかではなくただの妄想です。

Aプロの幸四郎さんと莟玉さんは、「書類上の」ではなく本物の兄妹のように見えた。

幸四郎さんのひねくれ者の兄感、莟玉さんのしっかり者の妹感がハマりすぎていて、「妹の手引で飲む酒はうまくない」があまりにもしっくりきすぎていて、もう兄妹にしか見えなかった。

幸四郎さんの「兄感」にとても魅力を感じるので、莟玉さんありがとうございます…の気持ち。

御座の場面のラスト二人きりになるところで、吉良を討ちにいこうとする助右衛門を必死に止めるお喜世ちゃんは、やっぱり少し浅薄な兄をなんとか思いとどまらせようとしてるように見えた。

最後に「手引しましょう」と言うのは、兄のためでもあるけど自分のためでもあるという、共闘関係のように見えた。

一方Bプロの隼人さんと莟玉さんは、実年齢が近いこともあってか恋愛関係のように見える瞬間があった。

うす暗い部屋で、泣き伏せていた二人が起き上がって互いに呼び合うところ。「兄様」は「助右衛門さま」に、「お喜世」は「お喜世どの」になっていて、兄妹の雰囲気はもうない。

助右衛門を必死に止めるお喜世ちゃんは、「この家の迷惑になる」と口では言っているけど実際には助右衛門の身を案じて止めているように見えたし、手引すると伝えるところも「あなたの力になりたい」みたいな健気さを感じた。

別に付き合ってるとか今も愛してるとかではなくて、同僚時代に互いにほんのり抱いていた恋心がチラッとだけ垣間見えてしまったみたいな、そんな感覚。

「覚悟はしております」とお喜世ちゃんが言い二人が見つめ合うところ、なんかドキドキした~…

妄想終わり。

 

戯曲を読んで

1回目の観劇後、ネットでこの演目についての情報を漁っていたところ元禄忠臣蔵の戯曲が出版されていることを知った。

それはぜひ読みたい!ということで、早速入手しました。(※正確には、注文したものの観劇最終日までに届かず図書館で借りました。)

劇中に出てくる台詞はもちろん、状況説明の文章にも素敵なものがあったな。

  • 「今日一日の遊びを命の洗濯として」お浜遊びの説明。なんと素敵な表現!
  • 「プンプンしながら」「急にキョトキョトしはじめる」「少しヘドモドしつつ」これら全て、助右衛門の描写。かわいい。
  • 「熊の手の煙草入」助右衛門の煙草入の描写なんですけど、あれ熊の手だったのかー!確かにモフモフしてるなと思ってた!モフモフを腰に下げててかわいいよね。
  • 「空には阿呆烏がカアカアと鳴いているのだ!」吉良をネズミに例えた台詞のラストだけど、これ、舞台で仁左衛門さんの口から聞いたときには「赤穂」と「阿呆」をかけたように感じたけど、どうなんでしょう。
  • 「麴町新五丁目とやらの畳十九畳の城郭に早く戻って…」綱豊が助右衛門に対して言う台詞(今月この台詞はなかったと思う)。内容というより、助右衛門がかまど将軍のくだりで一度言っただけのこの情報を覚えていてサラッと放つの、洒落てるな~と感じた。

その他

ただ忘れたくないので書き残しておきたいことなど。

  • 「煙草盆など与えよ」の後、江島が煙草盆を準備してお喜世ちゃんが綱豊の上着を脱がせたりしてる間、仁左衛門さん綱豊はじーっと助右衛門のことを見て目を離さない。口元には微笑を浮かべてるけど目はめちゃくちゃ鋭い。幸四郎さん助右衛門は綱豊のほうを見ないようにしてるけど、こっちが冷や汗かく。
  • 「骨の太いやつじゃ」の後(だったかな、タイミングは曖昧)綱豊がお喜世ちゃんにお酌させて酒を飲む、結構長めの無言の時間。助右衛門は2人に背を向けてるから何が行われてるのか全くわかっておらず、ただその無言に耐えるしかないんだな。演じる幸四郎さんや隼人さんはもちろん何が行われてるのかは知ってるけど、やはり見えてはいない。助右衛門ほどではないにせよ、多少不安や緊張が高まるのでは、と勝手な想像。その不安があの舞台の緊張感、焦燥感を生んでるのかも。ちなみにこの場面、双眼鏡で幸四郎さん(隼人さん)に集中してると急に無音になって結構焦ります。笑
  • お喜世ちゃんの証文おもてから名を洗い…のくだりの幸四郎さん助右衛門、嫌味とまでは言えないけど悪ぶって冷たい言い方しちゃって。莟玉さんお喜世ちゃんも戸惑いと寂しさの入り混じったような表情をしていて胸がギュッとなった。ここで一瞬たりとも驚かず「そちを兄分としていては喜世に迷惑でもかかるのか」と問う綱豊は鋭い。ここで動揺する助右衛門は義士としては詰めが甘いけど、やっぱりお喜世ちゃんに迷惑をかけたくない思いが強かったのね…と涙。(幸四郎さんの兄感に弱い)
  • ネズミを捕まえるくだりの仁左衛門さんの台詞回しが好きすぎる。「そろりそろりと開けてみたれば、中はからっぽ!」ここの幸四郎さんの「や!(煙草を落とす)」も好き。
  • 勘解由の歌六さん、すごくいい。学者としての聡明さと、「侍ごころ」を重んじる武士としての誇りが素敵な人物。綱豊が唯一本心を話せる相手なのかなと考えても大いに納得。それはさておき声がいい。低くて渋くてかっこいい。好き。
  • 江島の孝太郎さんも、とってもいい。出番としては最初の茶屋の場面がほとんどだけど、私は最後の能舞台裏の場面が好き。綱豊がわざわざ江島を名指しして助右衛門を「阿呆払い」するように言い、一瞬でその意図を汲み取って返す「かしこまりました」。この言葉のなんと頼もしいことよ。
  • 箍がありゃこそ桶でございます

 

最後に

赤穂浪人たちですらはっきりとはわからない今の大石の心情を「誤って手から離した征矢の行方を淋しくじっと眺めている」と読んだ綱豊。

この読みはたぶん、正解なんだろうな。

自分の命を危険に晒してまで助右衛門を止め、これを伝えてくれる綱豊の大きさもさることながら。

誰にも理解されない内蔵助の心情を(自発的にではないとはいえ)知ることができた助右衛門は、内蔵助のいちばんの理解者になれるのではないかと感じた。

元禄忠臣蔵はこの御浜御殿綱豊卿しか観たことがないのだけど、この後どうなるのかがとても気になる!

通しで観てみたいな〜

 

 

2年間待ち焦がれた再演『死の笛』

再演『死の笛』を観てきました。

2年前に一度観たきりだからあまり覚えていないかと思ったけど、見始めると思い出すものですね。

「こんな場面あった!ということは次は…」とどんどん記憶がよみがえってきた。

初演の感想

nonnopan.hatenablog.jp

 

今回の再演版では、2年前から演出や台詞が結構変わってたな。

以下、初演との相違点をメインに再演版の感想。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

それぞれ1回しか観てないので記憶違いもあるかも。

カノオ=演:安田顕さん ウスダ=演:林遣都さん

 

初演版との違い

白い人!亡霊?

これ、いちばんの違いでは。

初演では、白い両腕がパッと伸びてきてカノオの首を絞める場面が2回あった。

再演では、1回目の首絞めは初演と同じ腕。2回目には全身白い格好をして能面みたいなものを着けた人(亡霊?)が出てきて、ロープを結んだ首吊り紐をカノオの首にかけてしっかり絞める。

カノオの記憶の中のヨヨコ(娘)の死体は、両手両足と首にロープをかけて木に吊られていたそうだから、ロープというのはその記憶とのリンクもあるのかな…

腕だと思って心の準備はできていたのに、急に人が出てくるから…「ヒッ」と初演の腕を観たときと同じ反応をしてしまった。

カノオとウスダのお尻

細かく言えば、常にお尻が丸出しの戦闘服、注射を打つ場所、お尻のQRコード。

おもしろ方面の細工かと思ったんだけど(その意味もあるとは思うけど)、お尻丸出しの服を着てることで普通の人間とはズレてることがわかるし、QRコードが体に印字されてるなんて"造られたもの”であることの証としか思えない。

注射は、初演では普通に腕とかに打ってたような気がするのでQRコードを見せるために変更されたのかなと思った。

注射と言えば、1本の注射を分け合って互いに打ち合う場面も今回追加されたと思うんだけど、あれよかったな!

カヤヤのお父さん

カノオに刷り込まれた偽の記憶のベースとなった、カヤヤという子の殺害事件。それを悔いるカヤヤのお父さんのメッセージが明らかになる方法が変わってた。

初演では、カヤヤ父の手紙を見つけたカノオが手紙を読み上げる。

再演では、無線機からカヤヤ父の声が直接流れる。

単純に観客にとってわかりやすくなった気がするし、たぶんあの音声(を加工したもの?)をカノオに定期的に聞かせることであの記憶を刷り込んでるのよね。初期プログラムみたいなものにも組み込まれてるのかもしれないけど。あんなものを何度も聞かせてくる人(開発チーム?軍の偉い人?)の非常さも感じた。

あと、劇中には全く出てこないカヤヤ父の無念さにも思いを馳せてしまう。犯人、見つかるといいな。

ウスダへの刷り込み内容をカノオが聞いてしまう

カノオがひとりのときに無線の呼び出し音が鳴り、カノオは自分の国の無線ではなかったためウスダの国の無線に応答する。

そこで、ウスダの想い人であるカガリネさんの「明日家にいらして」という言葉を聞いてしまう。

この場面は、完全に今回追加されたものだったと思う。

カノオもウスダも、こうやって日々刷り込みをされてるんだな…

そしてゾッとしたのは、無線に応答したのがウスダではなくカノオであったにも関わらずカガリネさんの音声が流れたこと。

つまり、あの音声を聞かせてくる人たちは、応答者の声なんて最初から全く聞いてないんだ。

再会時の記憶

これに関しては内容が変わったのか、私の記憶がおかしいのか、おかしくないけど感じ方が変わったのか、自信がない。でも個人的には大きな変化だったように感じた。

初演を観た後の記憶として、カノオとウスダははじめから互いに覚えていたけどあえて触れないようにしてた印象が残ってる。

今回は、ウスダが蘇生された人間であることをカノオが知らなかったような台詞があった。(あえてそうしてる、みたいな白々しさも感じなかった。)

再会した時点では、本当に互いに覚えてなかったのかな。

ウスダはカノオに首を絞められてるときに、カノオはウスダから「いっそ殺してくれ」と頼まれてるときに、それぞれ過去のことを思い出したように感じた。

そしてカノオの「知能ない」という、到底サラリーマンが他社リーマンに言ってはいけない言葉をきっかけに、ふたりが当時の言葉で会話をし始める。

最後のダンスシーン、本当に素敵だった…

ふたりとも泣いてるけど、穏やかな顔してるんだよね。特に安田さんが林さんに向ける眼差し。慈愛の表情…

その他の相違点

意味があるのかないのかわからないけど、前回と違うなと思った点。

  • ウスダが自分の取説?を読み上げてカノオが自分たちの正体に気づくところ。初演では屋根の上だったけど今回は下だった。
  • 写真集、前回はえなこさんのもので、台詞でも「えなこ!」とか言ってた気がする。今回は名前は呼ばず、写真集に印字されてる名前も別の人(たぶん架空の人)のものだった。正直えなこのほうがおもしろかったけど、これは映像化するための権利の関係だ!と前向きに捉えてる。
  • ウスダの好きな人の名前が変わってた。前回の名前を全く思い出せないんだけど、洋風の名前だった気が。カガリネさんの由来はなんだろ。
  • 死の笛に「エエカチチトリ」という名前がついた。
  • 最後の場面の衣装。初演では安田さん帽子かぶってなかった。

気になった点

初演との違いではないけど、今回初めて気がついたor気になった点

  • 「息がくさい」個人的にこういうネタが好きではないので書くか迷ったのですが… ウスダがカノオにこれを言ったとき、1回だけ「死体と同じ匂いがする」って言ったんだよね。その後にふたりで嗅ぎ合って共にうえーってなる。ふたりとも死体であることの伏線なんだろうか。
  • 女性の声で聞こえる、あの呪文みたいな支離滅裂の長い文章。最後は確か「コーヒーの泡は平行四辺形の袖を濡らす」だった。何か意味があるのかなと思って、各単語の頭文字を拾ってみたりしたけど特にどうもならなかった。意味があるのなら知りたいけど、あえて意味を持たないように作ってるのかもしれない。

安田さん萌えポイント

私は安田さんのファンなので、作品だけではなく安田さんの魅力も書きたい。といっても全部よくて、特にここが!というのは逆に難しいんだけど。

ごぼう

劇中でカノオがごぼうを切るシーンが何度かある。なかなか安田さんがお料理するところなど見られないので、双眼鏡でガン見しました。

上手だった。かっこよかった。

日本刀…?

終盤、調理場の周りで戦争が本格化し、ふたりも互いに敵として対峙するという場面。

安田さんは刃の部分がちょっと長めの包丁を持ってた。両手を少しずらして包丁の柄の部分を握り、上からゆっくりと降ろして体の正面に構える。からの林さんを睨み、包丁を少し斜めに傾ける。という一連の動作が、日本刀を構えるときのそれのようでめっっっちゃくちゃかっこよかった!!!

涙

萌えポイントというか、俳優安田顕の魅力。 

安田さんの泣きの芝居は昔から大好き&大尊敬なのだけど、最近になって泣きの中でも種類があることに気づいた。

ボロボロでグチャグチャのやつ(観てるこちらも大号泣してしまい頭痛くなる)も大好きだし、瞳を潤ませながら、または涙をツーッと流しながら薄く微笑む(観てるこちらも涙目)のも大好き。

最後のダンスシーンで、赤い目と涙に濡れた頬のまま優しい微笑みを浮かべていてズキュン!ときた。

声

これも俳優安田顕の魅力。低くて渋い地の声も大好きだけど、役柄や心情に応じて変幻自在に使い分ける声も素晴らしい!

ウスダを警戒してるときは低い声、心を許すに従って少し高く明るい声になっていく。心の距離が伝わってきてさすがだなあと思う。

あと、ウスダのためにカガリネさん役をやってあげるところの声が「安田顕が演じる女性」の声すぎて好き。

単に高い声というだけではなく淑やかで優しい話し方にもなって、ああ女性だなと思う。

本物の女性の声とはもちろん違うんだけど、歌舞伎の女方と一緒で「安田顕が演じる女性」というジャンルがあるようなイメージ。

最後に

戦場を舞台にしたこの作品、やっぱり最近の日本に漂う不穏な空気を思わずにいられない。

安田さん自身も「2年前より切実」「現実が再演の意義を与えた」と仰ってる。

 

劇中のいくつかの台詞に、今、そして近い将来の日本を重ね合わせて憂鬱になったりもした。

そんなことを観劇中に考えなくてもいい時代になりますように。

 

お昼に食べたガパオライスおいしかった〜

 

 

演劇好きに観てほしい『爆烈忠臣蔵』

劇団☆新感線の『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』を観てきました!

感想というか、好きなところメモ。

新感線初心者なのでいろいろ大目に見てください。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

歌舞伎知っててよかった!より楽しめた気がする!

歌舞伎もそんなに詳しいわけではないけど、テッパンの演出はわかるようになってきたし、3月に仮名手本忠臣蔵を通しで観たばかりなのが大きい。

名場面が多かった!

 

橋本じゅんさん演じる荒蔵がいきなり定九郎の拵えで登場。

濡れ髪整える仕草の中に、耳に入った水抜く仕草が入ってて笑う。

「ごじゅ〜うりょ〜〜う!」

腕が縞財布突き破っちゃってるのよww

クマに襲われながら叫ぶ「一度開いた幕は何があっても途中で降ろしちゃいけねぇんだよ!」

幾度となく聞いてきた台詞だけど、やっぱり胸にくるものがある…

 

主演のお破(おやぶ)を演じる小池栄子さんはほぼ出ずっぱり。

序盤で大星由良之助(大石内蔵助)を演じたいと発言していて、きっと叶うんだろうなとは思ったけど、正直小池さんが由良之助の拵えするイメージは湧かなくて。

終盤に内蔵助として出てきてびっくり!

裾の長い真っ赤な衣装にポニーテル。かっこいい!似合う!

 

出てくるだけで場が引き締まる古田新太さん。圧倒的スター感!

テレビで観るときとは印象の違う、太くていい声。

「ここを仕切ってるのは俺だ」という台詞で、マダレを思い出すなど。

馬(笑)に乗って出てきたタイミングで、なぜかサンバやるな?と気づいた。我ながらなんでだろ、メイク?

サンバ、似合う。もうちょっと見たかった。

お破の芝居への熱に当てられて覚醒してからの、アツい早口長台詞も素敵だった〜!

 

早乙女太一さん、女方の役者!

女方での高速立廻り、美しすぎて鳥肌立った…

何あれ…大衆演劇の役者さんって皆さんあんなことできるの?太一さんがすごすぎるだけ??

後半に、川原正嗣さん(歌舞伎NEXT朧の森のヤスマサ将軍)との一騎討ちの場面があり、これもゾクゾクした。

おそらく今回の座組の中で最も立廻りに長けたお二人。本当に綺麗で、見てて興奮する立廻りだった。

太一さん、舞台の真ん中で小池栄子さんたちがメインの芝居をしてるときは端で立ってそれを見てることが多かったんだけど、そのときの立ち姿もめちゃくちゃ様になってて見惚れてしまった。

 

向井理さん、生で見たのは初めて。顔が…いい…!

いやイケメンなのもそうなんだけど、「優しそうだけど何考えてるかわからない」感じがとても似合うなと思った。

太一さんと2人、セットの2階から小池さんたちを見下ろしてる表情がとてもよかった。

向井さん演じる天外「無理をなんとかするのが狂言作者の仕事」

ほんと、そうだよね!!!(推し狂言作者を思い浮かべながら)

 

新感線の密かなる推し、栗根まことさん!

火事の後、感情を見せるシーンがよかったな。

古田さんに台詞とられて怒るというおもしろシーンでなぜか泣いた。

 

密かなる推しもうお一方、右近健一さん!

初登場のインパクトよ。クリスティーヌ…?

かわいすぎる水野忠邦だった。

そして、やっぱり歌がすごい。オペラ座の怪人の間奏のあの高音、男性でも出るんだ!びっくり。

 

橋本さとしさん演じる遠山の金さん、とても刺さった…!

本心と立場の狭間で葛藤する人物、大好き。

きらら浮世伝で錦之助さんが演じてた初鹿野を思い出した。

初鹿野は結局敵となってしまったけど、金さんは立場を守りつつお破たちに助言してくれたり、最後には藤川を説得してくれたり。

さとしさん、舞台で観たのは初めてかな。出演作調べてみたら、ことごとく観たミュージカル作品の観てないほうのキャストだった。

歌お上手でかっこよかった〜!

 

鮒侍!あの憎き高師直の場面だ!

…あれ、こんな台詞あったっけ?と思ったら、お破のアドリブ(史実とされている言葉)が付け加えられていたらしい。

うわ〜!これがわかったの、とても嬉しい!

 

忠臣蔵以外にも歌舞伎らしい趣向がたくさん取り入れられてた。

附けは録音ではなく生音。本物の附け打ち、山﨑徹さん!

歌舞伎NEXT朧の森でも打ってくれていた方で、もともと新感線とご縁があるのかな?と思っていたけど、どうやら幸四郎さんが染五郎時代に新感線に出たご縁が繋がってのことらしい。(山﨑さんインスタより)

私が座ったのは3階上手の席で花道が全く見えなかったので、役者さんが花道駆けてくるところとか見得?(見えないので定かでない)とかは、山﨑さんロックオンで見てた。

 

役者さん、本舞台でも見得してたな。

ド派手な照明、ロック、附けの音に合わせた見得は、歌舞伎とはまた違ったかっこよさがあってこちらも大好き!

 

向井さんの二役早替り、お見事だった!

特に終盤、天外と藤川が顔を合わせる場面。

「天外が捌ける→吹替の人が籠に入る→籠を開ける」の一連で胸が高鳴った。

籠から向井さん出てきて大拍手!かと思いきやそうでもなくて、もしかしてすごすぎてお客さん入れ替わったの気づいてない…?

この後もう一度天外になってみんなに合流するところがいちばん早かった気がする。

すごかったな〜!

ただこの二人って結局どういう関係なのか明かされなかったような…?

天外の語りからして、生き別れの兄弟かなと思ったけど、それを断定する台詞はなかった、と思う。

あそこまで示せばわかるだろ的な…?

 

序盤の、森の動物たちが手伝ってのお破の早替りは笑った。

動物たちみんなかわいかったな〜!

急に子ども向けミュージカルみたいになって。

特にアライグマが好きでした。

一輪車に乗れるクマもすごい!

 

ラストの古田さん口上「隅から隅までずずずいと」チョン!と、下手の舞台袖で柝を打つ本物の狂言作者さん(かな?)が見えて、グッときた。

 

歌舞伎だけでなくいろんなエンタメのパロディ満載で楽しかった!

マツケンサンバ、遠山の金さん、暴れん坊将軍。

ロミジュリ、オペラ座、セーラームーン。セーラームーンは白浪五人男ともかけてたのかな。

なんかワイヤーが見えて、宙乗り!誰が飛ぶの?と期待してたら太一さん!

(フライングと言うべきなのかもしれないけど、歌舞伎モチーフだったのであえての宙乗り)

タキシード仮面ならぬ陣羽織仮面、理解するのに時間がかかって、じわじわ笑ったww

 

そして忠臣蔵、大詰の吉良ってそんなにみんなやりたい役かな?と疑問に思ってたら、なんかやたらカラフルな吉良がどんどんとww

7色揃って笑ってたらバックから照明パーン!音楽ドーン!

7人のシルエットが浮かび上がって映し出されるタイトル「吉良上野介の七人」

髑髏城だ〜!

ここ、新感線初心者の私ですらテンション上がったのに、長年のファン泣いちゃうのでは?いや笑うか?

とにかくアツい演出だった!

 

観劇中、ここ数年に観たいろんなお芝居や実際の出来事が次々と思い起こされ、自分でもよくわからないタイミングでたびたび涙…

何度も出てくる「嘘を真に」「わざおぎ」という言葉。

俳優という職業は、まさに嘘を本当にする仕事なんだよなあ…としみじみした。

 

帰ってからダウンロードした配役表見てて気づいた。

舞踊振付・所作指導:尾上菊之丞

女方所作指導:尾上菊三呂

全然知らなかった!なんか嬉しい!

 

改めて「私は演劇が好きだ!」と思える、素敵な作品でした。

これにて今年の観劇納めの予定だったけど、良すぎた&花道見えなかったのだけは消化不良で、チケ松見ちゃってる〜

 

🌸終わり🌸