徒然なるまま

日々の記録

待ち焦がれた舞踊自主公演『紫薫』

松本幸四郎さんと尾上紫さんの自主公演『紫薫(しくん)』を観劇しました。

いやーすごかった…
私はこの人を好きになってよかったと心から思いました。
以下、ただの記録と感想箇条書き。

 

長唄「旅」

  • 揚幕から幸四郎さん紫さんの順に登場。橋掛かりでいったん止まってふたりでお顔をよく見せてくれる。美男!美女!!
  • 幸四郎さんは素顔。水色の着物に黄色?ベージュ?の袴。幸四郎さんの浮線蝶の紋🫶
  • 紫さんは白塗り。ピンクがかった紫色のお着物。見たことのある尾上流の紋(調べたところ、菊菱というみたい)。紫さん、お顔がとってもキュート!
  • 予習不足でどういう曲なのか知らずに観たのですが、思いの外わかりやすい振りが多くて楽しい。
  • 雨が降ってくるところ、ふたりとも扇子を使って雨風を表現してるけど個性(というか男女の違い?)が出てておもしろかった。
  • 扇子を2人合わせてバッ!って開くところ、ピッタリ揃ってて気持ちいい〜!
  • 3か月くらい連続で舟を漕ぐ幸四郎さんを見ている。好き🫶
  • 「祇園宵宮の〜」のところのダイナミックな振りがかっこよかった!
  • お祭りのところで、お人形みたいなチマチマした足取りで歩いてくるのがかわいかった。お祭りの山車人形を想像したんだけど、どういう意味なのでしょう?イヤホンガイド欲しい。
  • それぞれ別のタイミングで相手の肩をトンッてやる振りがあった。幸四郎さんは紫さんに手を当てないけど、紫さんが幸四郎さんを叩くときには「パシッ」て音が聞こえた。笑
  • 幸四郎さん、大発汗!曲中、手拭いで汗を拭う振りがあったから、それで本当に拭いたらいいのにと思っちゃった。そしたらその手拭い、後で紫さんに返すのね。それじゃあ拭けないわ。笑
  • その後紫さんが手拭いを広げてこちらに見せてくれる振りのとき、少しだけど濡れてて笑っちゃった。

 

お話「ふたり語り」

気心知れたおふたりだからこそのふんわりとした掛け合いがおもしろかった。印象に残ったお話だけ。

  • 開口一番まずは謝罪😂「運営に不慣れで…いろいろとご迷惑をおかけして…申し訳ありませんでした…!」紫薫事務局からのメールの中には幸四郎さんが送ったものもあったとのこと。「丸とかつけていいのかわからなくて…」明らかに異色の、句点ゼロのメールが1通ありましたね。笑
  • 紫さんは、お父さんの墨雪さんと西川左近さんが「旅」を踊っているのを見て「いつか相手が見つかったら踊りたい」と思っていた。そしたら「見つけた…!!」(幸四郎さんを示しながら)と。それを聞いた幸四郎さん、昼公演ではただ嬉しそうにしてたけど、夜公演では「随分かかりましたね…結構会う機会あるんですけどね…」と、照れ隠しみたいなツッコミをしてた。
  • やっぱり出た菊之丞先生のお名前!昼公演では幸四郎さんがなぜか恐る恐るといった感じで「弟…さんの……」と切り出してたのに対して、夜公演では紫さんのほうから「弟の菊之丞が親しくしてて…」と切り出してたのがなんだか嬉しかった。
  • 次の演目の支度のために紫さんが先に捌け、ひとりになった幸四郎さんはグッズの宣伝(これもおもしろかった)。そして幸四郎さんが捌けるとき、揚幕の手前で立ち止まってジェスチャーで「ここ!出て正面!」とグッズコーナーの場所を主張してた。笑

 

新作「昼の月」

  • おふたりが出てくる前、鏡板の松にかかるように満月が映し出されてるのがとっても素敵🌕
  • 音楽が現代的!唄に女性がいらしたんだけど、男女それぞれの心情を歌い分けるのに加えて男声と女声のハーモニーのパートもあって、めちゃくちゃ神秘的で綺麗だった。
  • あと、囃子方の左太助さんが吊ってあるシンバルみたいなの(ウインドゴング?)とか鉄琴とかやっててマルチプレイヤー!となった。
  • 照明が落ちて真っ暗な中、幸四郎さんは揚幕から、紫さんは切戸口から登場。
  • 幸四郎さんは緑色っぽい衣装(木を切る人だからたぶん動きやすい服装なんだ)(適当)に、黒の袖なし羽織。
  • 紫さんは黒のお着物。お月様の模様が綺麗〜!その上に、黒の薄い羽衣みたいなやつ。髪をお団子にしてそこから真っ黒のリボンを垂らしているので超ロングポニーテールみたい。
  • 紫さんの美しさが尋常ではない。儚くて透明感があってすぐに消えてしまいそう。でも確かな意思の強さを感じさせる表情。紫さんに見惚れて幸四郎さんを見るのを忘れてしまうくらいだった。
  • ただもちろん幸四郎さんも美男子。若い。ふたりとも若い。
  • すごい世界感の作品だった…!悲しい?切ない?なんとも言葉にし難いような。当事者だったらつらいけど、側から見てるとなんと荘厳な愛の物語だろう…という感動。
  • 幸四郎さんと紫さん、美しさの中に儚さや哀しみをたたえている(ように見える)ところが同じ属性だなーと感じていて。そのおふたりの共通点が強みとして最大限生かされた作品だと思った。あの曲をやるのに最もふさわしいふたり。お互いを相手に選んでくれて本当にありがとうございます…🙏
  • 物語もさることながら、ビジュアル面も計算し尽くされてるなと思った。曲中、月の光に照らされる二人の影のなんと美しいことよ…!
  • 「月の主は私がつとめる」で、月の光を一身に浴びながら両手広げて歩いてくる幸四郎さん、最高にかっこよかった!
  • 100%ポジティブな意味で、幸四郎さんはやっぱり役者だなと思った。
  • 夜の月様(紫さん)を見つめるときの、心から愛しくて大切で、でも自分なんかが触れていいのか…みたいな、大切に思うがゆえに距離をとるような表情や仕草が繊細で。
  • でも月様の暴走を止めるときにはガシッと力強く体やら手首やらを掴んじゃうの、桂男(幸四郎さん)の役割ゆえの使命感というよりは、大切な月様にこんなことをさせてはならない、みたいな深くて強い想いを感じた。
  • 月様がいなくなった後に桂男が残された扇子を見つめる振りがあるけど、その2回目、一瞬だけグチャッと表情が崩れたように見えて、夜公演だったから展開知ってるのに、そこで泣いた。
  • 夜の月様がたぶん昼の月になって幸四郎さんには見えなくなっちゃって、でも紫さんにはわかってて。返ってきた扇子を見つめる表情は切ないんだけど、紫さんひとりのラストは美しさとともに力強さも感じてとってもよかった。

 

カーテンコール

  • 「昼の月」が終わり舞台が明転すると、座礼したおふたりが。幸四郎さんが「本日はありがとうございました」とご挨拶し、演奏家の方々にみんなで拍手しておふたりも捌けておしまい。
  • 夜公演だけ、もう1回出てきてくれた。
  • ふたりで正面→脇正面→中正面の順に礼。中正面は「柱に隠れて姿が見えない」というくだりを何度かやってたことを踏まえて、笑いながらふたりで舞台ギリギリまで出てきて柱の両脇からお辞儀してくれた(夜公演は中正面の席でした🙌)
  • 幸四郎さん「本日初日を迎え、千穐楽を迎えることができました!」笑
  • ふたりで礼して捌けていくも、橋掛かりでまたなんかわちゃわちゃし始める。「喋りなよ」「えーそっちが喋りなよ」と女子高生みたいなやりとりをオフマイクでひとしきりしつつ、舞台に戻ってきた紫さんがご挨拶。「紫薫を今後も続けていきたい」と話してくれて胸熱。
  • そのまま終わらせようとするも、紫さんに促された幸四郎さん「また次回!👋」本日いちばんの、晴れ晴れとしたいい笑顔だったー!

 

総括

  • 「旅」「昼の月」ともに、好きな女に振り回される幸四郎さんが見られて最高だった。振り回されてるにもかかわらず、かっこよさも色気も損なわれないのはさすがすぎる。
  • また汗の話をするんですけど、特に昼公演の「旅」がすごくて。夜もかいてはいたけど昼ほどではなかった気がする。そういえば8月のらくだも初日だけえらい汗かいてたな。ブログやSNSで「緊張してます」みたいなこと仰ってるのをいつも「またまた〜」と流してたけど、もしかして本当に初回はめちゃくちゃ緊張するタイプだったりします…?(愛おしい)
  • 紫薫の開催が発表されてから当日までの公演期間を通して、紫さんへのイメージがクールビューティーからキュートに変わった!昼のふたり語りのとき、「柱に隠れて姿が見えないお客さんがいるから動きながら話して」と幸四郎さんから言われたことを忠実に守り、夜公演でもちょこまかと動き続ける紫さん🫶 かわいすぎて、手振りたくなっちゃった。

 

本当にいい公演でした。おふたりがトークとカテコでも仰っていたように、紫薫が今後も続いていくことを心より願っています!

 

 

秀山祭九月大歌舞伎2026(夜の部)感想など

秀山祭九月大歌舞伎の感想などメモ、夜の部。
昼の部から引き続き、短文の箇条書きです。

 

基本的には3回ずつ、沼津だけ幕見も合わせて4回観ました🙌

沼津
初回(Bプロ幸四郎さん)

2回目(Bプロ幸四郎さん)

3回目(Aプロ仁左衛門さん)

全体的に
  • 荷物を持つのにヨタヨタしてた歌六さん平作、ちょっと調子が出て歩けるようになってきたときの、音楽にのって合いの手入れるように言う「どっこい♪」がたまらなく好き🫶
  • 客降りのとき、十兵衛と平作の進み具合をずっと目で追いながら小さめの音で三味線を弾き続けるおふたり(筋書で確認したところ勝二郎さんと一二三さん)。2人が花道に上がったら、特に何か合図するわけでもなくピッタリ揃えてフェードアウト。からの、ハッ!の合図で通常の音量で弾き始めるの。この仕事人感に痺れた
  • 平作、松の根にキレるし枕にキレるしすぐ調子乗っちゃってチャーミングだけど、それが後半に効いてくる。娘のために命捨てちゃうの…「俺のももひき履いて寝ろ」は冗談っぽく言ってるけど、こうやって何度もさりげなく娘を守ってきたんだろうな…と想像させる歌六父さん
  • 歌六さんがお家の段差に片足かけてキマるところ、めちゃくちゃかっこいい〜!
  • 十兵衛が平作のお家出発するときの竹本の詞章「心に一物 荷物は先へ…」ここしか聞き取れてないけど、とても好きな感じなので他の箇所も気になる
  • (Aプロの感想)最後の転換すごい!盆が回るんじゃなくてお家ごと後ろに下がり、屋根が平らになったかと思えば屋根ごとパタンと絵本みたいに下に閉じて、そこはもう千本松原の景色!思わず拍手した
  • お父さんご臨終のときの十兵衛、本当は抱きしめたかっただろうに、ずっと父と一緒に過ごしてきた妹にその場所を譲って、自分は少し離れた場所から見守るのが切ない
  • 【沼津棒鼻】空の隅に見えてる雨雲が心配→【平作住居(花道)】「降らねばよいが」→【千本松原】小雨が降ってきて、親父様に傘を差しかける…と、時間の経過と情景と人物の心情がシンクロしてて、なんとも胸がギュッとなる。毎回「ああ降ってきちゃった…」ってなる🥺
4回目(Aプロ仁左衛門さん/千穐楽)
  • 今まで席が遠くてあまり聞こえてなかった十兵衛と平作の花道でのやりとり、初めてちゃんと聞こえた!「昨日まで松の根なんてなかった」「急に出てきたあいつが悪い」とキレ続ける歌六さんに「自分のことは置いといて人に怒るのはよくない」「やめなさい😅」と諭す仁左衛門さんww
  • 花道で平作が荷物倒しちゃったのは初めて見たけど、あまりに自然すぎてハプニングとも思わなかった。「倒してしまいました(てへっ)」と謝る歌六さんに「いやいや」と笑顔で手を振る仁左衛門さん。歌六さんが杖を腰に回すパフォーマンス?してる最中に、ひとり黙々と荷物を立て直す仁左衛門さん。ここで大して申し訳なさそうでもなく謝るのが平作すぎたし、嫌な顔するでもなく笑顔で引き受けるのも十兵衛すぎた…!
  • 十兵衛が平作のお家から出発するところ、妹に「年寄った親父どのを大切に」みたいなこと(うろ覚え)言った後、聞こえるか聞こえないかくらいの声で仁左衛門さんが「たのむ…!」と言うのが聞こえた。まだ何も明かせない十兵衛の心の叫び…😭
  • 最後の千本松原の場面の仁左衛門さん、しっかり泣いてた。仁左衛門さんほどの方なら涙流さずとも「泣いている」ことを伝えられるのに、それでも涙を流すのにめちゃくちゃ心打たれてしまい、こちらも大号泣😭
  • 自分が観た席の違いとかもあるだろうけど、千穐楽の仁左衛門さんはなんというか、悔しいくらい圧倒的だった。

 

京人形
初回

 

一條大蔵譚
初回

2回目

3回目(千穐楽)
  • 素顔では感じたことなかったけど、初めて歌昇さんと種之助さん似てると思った。やっぱ夫婦って似てくるって言うもんね…いや兄弟だわ!ってなった
  • 染五郎くん、やっぱり顔がいい。役を演じてる役者さんに顔のことばかり言うのは失礼かと思うけど、やっぱりどうしても顔がいい。染五郎くんの素顔が好みど真ん中かと言われると正直そうではないんだけど(塩顔が好きなため。「美」「イケメン」とは毎日思ってます)、公家かつ阿呆の柔らかめの化粧で染五郎くんのシャープな顔立ちが中和されて、好みの顔になってるんだろうな。
  • 元のお顔のつくりというだけではなくて、化粧の研究とか表情の作り方とか広い意味で、顔がいい!
  • 高麗蔵さん鳴瀬の簪、四ツ花菱だった!あと染五郎くん大蔵卿の衣装の前に垂らしてる帯みたいなやつ(なんていうの?)も! この記事↓の2枚目の画像www.tjapan.jp
  • 吉右衛門さん大蔵卿の写真見ると替紋の「村山片喰」ってやつっぽいから(↓参考にした画像)、ここは役者の紋なんだ!

    enmokudb.kabuki.ne.jp

  • 染五郎くんについてた黒衣さんは、たぶん幸蔵さん?
    鬘桶出したり片付けたり、小物渡したり、ぶっ返りに向けて徐々に引き抜いていったりと、仕事が多いけど安心感しかない。かっこよかったー!

 

雛鶴三番叟の感想がない…

お三方ともお綺麗だったのと、萬壽さんの足拍子がかっこよかったということだけ覚えてる。

 

 

 

秀山祭九月大歌舞伎2026(昼の部)感想など

秀山祭九月大歌舞伎が全体的にとってもよかったので感想などメモ。

ほぼXで呟く程度の短文の箇条書きです。とりあえず昼の部。

 

1、2回目は3階から、3回目に観た千穐楽は1階の最前列でした🫶

 

春調娘七種

初回の感想
2回目の感想

↑「染五郎くんが演じる五郎」を略そうとしたら「染五郎」とシンプル呼び捨てになってしまったので悩んだ結果の「そめ五郎」

3回目の感想
  • 團子くん十郎が目の前〜!3人揃って舞台中程から客席側に歩いてくるところ、こっちに迫ってくるのでビビってちょっと身を引いてしまった。笑
  • 五郎が鼓を置くところ、直後に静が転がすのに差し障りがあるからか、紐(調緒?)を気にしてるようだった。綺麗に転がってよかった。
  • いつもどおり、團子くんは中盤からビッチャビチャ
  • 辰之助くん静が後見さんに姫ジケ直してもらってるの見られた〜!これ大好き

 

三社祭

初回の感想
2回目の感想

3回目+全体的な感想
  • 2人しかいないのに「目が足りない…!」ってなる
  • 1階1列だとおふたりのパンツ(褌?)見えそうになる、というかガッツリ見えました
  • 歌昇さんの息づかいが聞こえた!あんな激しい動きするのにお面咥えてるから口呼吸できないって恐ろしい演目。酸欠になりそう
  • 2人がセンターやや上手寄りの位置で前後になる(武成がしゃがみ、浜成が後ろに立つ)ところで、歌昇さんの目線がこちらに…!あんなにコミカルなお顔してるのに色気がすごい。ずるい
  • 種之助さんは跳んだりターンしたり、ひとつひとつの動きのキレがすごくてまばたきする隙がない
  • キレキレなのに「キレキレですよ!」感がなくて、あくまで軽やか。種之助さんの踊りはそこが好き!!!
  • 種之助さん、お面の中でもずっと笑顔でかわいい。まあ善玉悪玉ってお面界では視界広い方ですからね ↓出典youtu.be
  • 歌昇さん、プライベートで種之助さんからあんな笑顔向けられることないだろうから(勝手かつ失礼な想像)舞台上だと満面の笑み向けられて嬉しいだろうな
  • 今回の、というより三社祭の好きなところだけど、扇子スッと投げて後見さんに渡すところ大好き!それを涼しい顔でこともなげに受け取る後見さんもかっこいい
  • 観てる間ずーっとニコニコしてた、私が。

 

ひらかな盛衰記

大津宿屋・笹引き
初回の感想

3回目の感想

  • 大津宿屋で権四郎がお筆たちに言う「ご縁があればまた会いましょう」があまりにも悲しい伏線でつらい。ご縁はあったわけだけどさー…そんなご縁って…
 
逆櫓
初回の感想
2回目の感想

3回目+全体的な感想
  • 又五郎さん権四郎はもう、最初から最後までずっと泣ける。槌松帰ってきた!と無邪気に喜ぶ様も、死を知ってからの悲しみも怒りも、樋口を売った後の「間違ったことはしてない、けど、けど…!」の苦しそうな顔も。今後も樋口のこと思い出しては「あれでよかったのか」と悩んだり後悔したりするんだろうな…
  • 樋口の「頭が高い」のところ好きすぎて、台本メモして暗記して観劇した。「権四郎、頭(ず)が高い。イヤサ頭(かしら)が高い。天地に轟く鳴るいかずちの如く、御姿は見ずとも、さだめて音にも聞きつらん、これにおわすは朝日将軍、木曽義仲公の御公達駒若君、かく申す某は、樋口の次郎兼光なるわ。」幸四郎さんの口から出てくる台詞を脳内で同時に再生できるの気持ちよすぎた。笑
  • 駒若丸を殺さないよう頼み込まれた権四郎、葛藤して最終的に得心にいたるけど、最前で観たときだけ又五郎さんの一言目、消え入りそうな、本当に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声の「わかりました…」が聞こえた😭
  • 樋口と権四郎の心が通じ合ったところ、竹本の詞章がまたいい。「互いの心ほどけ合い 千里の灘の浮かれ舟 港見つけし如くにて よろこび合うこそ道理なれ」
  • 樋口は、駒若丸を探してたし顔も知ってたのに、お筆が家に来て成り行きを語るまでこの子が駒若丸だと気づいてなかったんだよね?(なぜ)
  • ということは、帰宅してから「パパとお昼寝しようね〜」ってお部屋に入るまでに駒若丸に向けるあの「かわいくて仕方ない」みたいな眼差しはすべて本心…!メロメロ
  • もちろん槌松のことも親として愛してた。「血をわけぬ子が子となりて、忠義を立てしその嬉しさ」…樋口、松王丸でもあったのね😭
  • 遠見で、樋口を殴るのは富蔵ということを確認。昼も夜も(昼は本人ではないけど)染五郎くんに痛めつけられる幸四郎さん。笑
  • 千穐楽は細いほうの傷!左目の下に雫のような血の跡があって、泣いてるように見えた…

  • 最後の場面、登場した幸四郎さんしか見てなくて、気づいたら目の前にほぼ素顔の染五郎くんが立っててビビった。直視できなかった。
  • 樋口が船頭ズのこと「蟻みたいなもんだ」って言うところ、染團辰のアリ姿想像しちゃう。かわいい。
  • 立廻り、幸一郎くんが本当に大活躍!いちばん最初に出てきて側転・バク宙・なんか組体操みたいなのして。碇の場面では幸四郎さんの「ハッ」ていう合図で幸一郎くんが縄切ってとんぼ返って幸四郎さんに踏まれるのね。幸四郎さんのことよく見てタイミング計ってて、真剣な表情だった。ああいう配役誰が考えるのか知らないけど、信頼?というか期待?されてる〜!と、えもいわれぬ感情に…
  • 松緑さん畠山重忠が出てきたとき、敵か味方かわからないからとりあえず手でおよしをかばう樋口、いい旦那さん🫶
  • 権四郎の真意を知ったときの幸四郎さん樋口の表情😭 自分は捕まることになったのに権四郎への深い感謝が見えて😭 号泣…
  • これ↓超うろ覚えだった割にはいい線いってた。「よその千歳は知らねども この身につらき有為無常 老はとどまり 若きは逝く 世は逆まの 逆櫓の松」
  • あ、1列目では幸四郎さんのパンツ(褌?)も見えました!

 

 

琴線に触れまくり『御浜御殿綱豊卿』

七月大歌舞伎『御浜御殿綱豊卿』にすっかり心奪われてしまったので、感想や残しておきたいことなど。幸四郎さんメイン。

この演目は初見だったけど、今月ABプロ合わせて4回観ました!

 

初見の感想

完全なる初見時(Aプロ)の感想↓

この作品、必ずしも登場人物の感情と言動が一致しているわけではないので、初見だと物語が掴みにくい。

一見しておかしみを感じるような言動も多いので、会場では笑いが起きがちだし、私も初見では笑ってしまった。

煙草カンカンカン!とか「もう1、2度入れと言ってくだされば…」とか。(後者は幸四郎さんの言い方も大きい。笑)

だからこそ「それなれば私も申し上げたいことがござります!」とついに綱豊に向き合う瞬間の切り替えにはめちゃくちゃときめいた。

 

2回目の感想/A・Bプロの違い

2回目はBプロ。前日に歌舞伎家話で松也さんと隼人さんのトークを聞いていたので気分も高まる。

家話の中で、松也さんは仁左衛門さん、隼人さんは幸四郎さんと、それぞれWキャストの先輩から教わっていたことを知る。

(個人的には仁左衛門さんが隼人さんに対して「幸四郎さんから教わりなさい」と言ったという話がとてもアツい。)

2回目だったこともあり、この演目についての記事などを読んでいたこともあり、物語がだいぶ理解できた。

Bプロのお二人、仁左衛門さん幸四郎さんとのWキャストなんて比較されて大変だろうな〜…と、かなり失礼なことを考えながら観たわけですが。

いやいや負けてなかった!というか、良さの方向性が全く違った!

松也さんが綱豊を演じるのは2回目、隼人さんの助右衛門は初役とのこと。

Aプロのお二人が経験を重ねて独自色を出しているのに対して、Bプロのお二人は基本に忠実なのかなと思った。

つまり、とてもわかりやすかった。

例えば最初の茶屋の場面、綱豊がお喜世ちゃん(演:莟玉さん)に「助右衛門は今日、吉良が来ることを知っているのか」と聞いた後の一瞬の間。

松也さんは、驚くお喜世ちゃんの全身上から下まで目を走らせて、その反応が嘘でないかしっかり見極めようとしてた。

仁左衛門さんもおそらく同じ意図の確認をしていたけど、松也さんほど明確ではなく、一瞬見つめるだけだった。

物語に即していえば仁左衛門さんver.のほうがよりリアルで、かつお喜世ちゃんを信頼してる感があった。

でも松也さんver.のほうが初見にとってはわかりやすい。

助右衛門もそう。隼人さんはひとつひとつの台詞をはっきり発音するから聞き取りやすく、意味も掴みやすい。

一方で幸四郎さんは、ここぞ!というときに、あえて感情を先走らせたような話し方をする。正直、聞き取れないこともある。

初見に優しいのは隼人さんver.だけど、一度観て内容を理解した後だと、幸四郎さんver.にめちゃくちゃ感情を乱される。

どちらがいいというのでは全くなく、どちらも本当にいい!良さの方向性が違うのです。

(個人的には、今月1回ずつ観るならB→Aの順番がおすすめ)

 

細やかな幸四郎さん助右衛門

内容をある程度理解してから観ると、幸四郎さんが最初からかなり細やかな芝居をしてることがわかった。

(※私は幸四郎さんのファンなので幸四郎さんのことばかり書きますが、当然ながら他の方も細やかな芝居をされています)

助右衛門が初めて綱豊と対面したときに「眼中が鋭い」と言われるけど、1つ前の一見コミカルな廊下の場面からすでに幸四郎さんは鋭い目つきをして吉良が通るはずの門を睨んでた。

そして綱豊との場面では、序盤から些細な発言にハッとしたり涙目になったりと、ひとつひとつの仕草がとても繊細。

徐々に互いの感情が昂って反応も大きくなっていくけど、ただ拗ねてるようにしか見えなかった序盤からもう戦いは始まっていたのだなあ…

初回観劇時の感想で「ボケモードからの切り替え」と書いていたけど、この作品にボケなんて存在しなかった。

最初からバッチバチのギラッギラの芝居だった(自分の語彙力のなさが恨めしい)

 

圧倒的な仁左衛門さん綱豊

やっぱり仁左衛門さんは圧倒的だな…別格だな…と何度も感じた。

勘解由(演:歌六さん)との場面で「討たせたいのう…」と本心を見せ、赤穂浪士のために泣いてくれる仁左衛門さん。

「そち達を信じたいのだ!」と力強く言い切ってくれる仁左衛門さん。

自らの身を危険に晒してまで助右衛門の暴走を止め、本気で叱ってから逃がしてくれる仁左衛門さん。

全部全部、圧倒的。綱豊という人物の大きさも相まって、本当に「でっかい」。

それから、助右衛門が「将軍の座を狙ってるから作り阿呆をしているのか」と命知らずなことを言うあの場面。

基本的にニコニコと穏やかな仁左衛門さん綱豊の変わりようがすごかった。

腹の底から響くような低く厳しい声での「言え!」の迫力。殺気。本当にすごかったな…

いやー仁左衛門さん、圧倒的…

 

観客を置いていかない莟玉さんお喜世

綱豊と助右衛門の問答の場面、お喜世の存在がかなり重要だなと感じた。

浪人となった助右衛門が綱豊に目通りするのは恐れ多いことで、にもかかわらず憎まれ口をきくのは信じられないくらい無礼なことなんだろうな、というのはなんとなくわかる。

でも、どれほど恐れ多いことなのかというのが現代人には(少なくとも私には)今ひとつピンとこない。

そんな中で、お喜世ちゃんがずっと気まずそうにしていたり、助右衛門の発言に怒って綱豊の様子を伺ったり、ついには斬りかかろうとまでして、今の助右衛門の言動がどれほど無礼なものなのか、ということをリアルタイムで教えてくれるから、かなり理解の助けになった。

(あえてではあるけど)無礼すぎる助右衛門と、寛容すぎる綱豊の間にあって、唯一の常識人。あの世界と観客の橋渡し的な存在だなと感じた。

そして、演じる莟玉さんがめちゃくちゃいい!

外見があんなにかわいいから、綱豊からの寵愛の説得力がすごい。

それに、表情から感情がすごく伝わってくるから、他の人が話してる場面でもつい莟玉さんを見たくなってしまう。

ラストの助右衛門と二人の場面は迫真で、あそこ、泣かずに観られたことが一度もない…

今大事にしてくれている綱豊への感謝も敬意も、かつて奉公していた浅野家への恩義もどちらも本物で、ものすごい葛藤の中で覚悟を決める顔、本当によかったです。

キュートな外見で芯のある女性というのは最高ね。

 

助右衛門とお喜世ちゃんの関係/A・Bプロの違い

個人的に、AプロとBプロの違いが出ていておもしろいなあと感じたのがここだった。

前提として、助右衛門とお喜世ちゃんは共に浅野家に仕えた元同僚どうし。

血の繋がりはなく、お喜世ちゃんが綱豊に奉公するにあたって助右衛門の親をお喜世ちゃんの仮親としたため、書類上では兄妹になったという関係。

今月の舞台にはなかったけど、戯曲には最初の茶屋の場面のさらに前に、この二人の「隙見をさせろ」「無理だ」という言い争いの場面が書かれてた。

(その言い争いでは助右衛門が結構ひどいことを言ってるんだけど、お喜世ちゃんに泣かれて必死に謝るのが兄っぽくて私は嫌いじゃない。笑)

あ、あと助右衛門には妻子がいる。

これらを踏まえても、関係性が違って見えておもしろいなという話。物語の解釈とかではなくただの妄想です。

Aプロの幸四郎さんと莟玉さんは、「書類上の」ではなく本物の兄妹のように見えた。

幸四郎さんのひねくれ者の兄感、莟玉さんのしっかり者の妹感がハマりすぎていて、「妹の手引で飲む酒はうまくない」があまりにもしっくりきすぎていて、もう兄妹にしか見えなかった。

幸四郎さんの「兄感」にとても魅力を感じるので、莟玉さんありがとうございます…の気持ち。

御座の場面のラスト二人きりになるところで、吉良を討ちにいこうとする助右衛門を必死に止めるお喜世ちゃんは、やっぱり少し浅薄な兄をなんとか思いとどまらせようとしてるように見えた。

最後に「手引しましょう」と言うのは、兄のためでもあるけど自分のためでもあるという、共闘関係のように見えた。

一方Bプロの隼人さんと莟玉さんは、実年齢が近いこともあってか恋愛関係のように見える瞬間があった。

うす暗い部屋で、泣き伏せていた二人が起き上がって互いに呼び合うところ。「兄様」は「助右衛門さま」に、「お喜世」は「お喜世どの」になっていて、兄妹の雰囲気はもうない。

助右衛門を必死に止めるお喜世ちゃんは、「この家の迷惑になる」と口では言っているけど実際には助右衛門の身を案じて止めているように見えたし、手引すると伝えるところも「あなたの力になりたい」みたいな健気さを感じた。

別に付き合ってるとか今も愛してるとかではなくて、同僚時代に互いにほんのり抱いていた恋心がチラッとだけ垣間見えてしまったみたいな、そんな感覚。

「覚悟はしております」とお喜世ちゃんが言い二人が見つめ合うところ、なんかドキドキした~…

妄想終わり。

 

戯曲を読んで

1回目の観劇後、ネットでこの演目についての情報を漁っていたところ元禄忠臣蔵の戯曲が出版されていることを知った。

それはぜひ読みたい!ということで、早速入手しました。(※正確には、注文したものの観劇最終日までに届かず図書館で借りました。)

劇中に出てくる台詞はもちろん、状況説明の文章にも素敵なものがあったな。

  • 「今日一日の遊びを命の洗濯として」お浜遊びの説明。なんと素敵な表現!
  • 「プンプンしながら」「急にキョトキョトしはじめる」「少しヘドモドしつつ」これら全て、助右衛門の描写。かわいい。
  • 「熊の手の煙草入」助右衛門の煙草入の描写なんですけど、あれ熊の手だったのかー!確かにモフモフしてるなと思ってた!モフモフを腰に下げててかわいいよね。
  • 「空には阿呆烏がカアカアと鳴いているのだ!」吉良をネズミに例えた台詞のラストだけど、これ、舞台で仁左衛門さんの口から聞いたときには「赤穂」と「阿呆」をかけたように感じたけど、どうなんでしょう。
  • 「麴町新五丁目とやらの畳十九畳の城郭に早く戻って…」綱豊が助右衛門に対して言う台詞(今月この台詞はなかったと思う)。内容というより、助右衛門がかまど将軍のくだりで一度言っただけのこの情報を覚えていてサラッと放つの、洒落てるな~と感じた。

その他

ただ忘れたくないので書き残しておきたいことなど。

  • 「煙草盆など与えよ」の後、江島が煙草盆を準備してお喜世ちゃんが綱豊の上着を脱がせたりしてる間、仁左衛門さん綱豊はじーっと助右衛門のことを見て目を離さない。口元には微笑を浮かべてるけど目はめちゃくちゃ鋭い。幸四郎さん助右衛門は綱豊のほうを見ないようにしてるけど、こっちが冷や汗かく。
  • 「骨の太いやつじゃ」の後(だったかな、タイミングは曖昧)綱豊がお喜世ちゃんにお酌させて酒を飲む、結構長めの無言の時間。助右衛門は2人に背を向けてるから何が行われてるのか全くわかっておらず、ただその無言に耐えるしかないんだな。演じる幸四郎さんや隼人さんはもちろん何が行われてるのかは知ってるけど、やはり見えてはいない。助右衛門ほどではないにせよ、多少不安や緊張が高まるのでは、と勝手な想像。その不安があの舞台の緊張感、焦燥感を生んでるのかも。ちなみにこの場面、双眼鏡で幸四郎さん(隼人さん)に集中してると急に無音になって結構焦ります。笑
  • お喜世ちゃんの証文おもてから名を洗い…のくだりの幸四郎さん助右衛門、嫌味とまでは言えないけど悪ぶって冷たい言い方しちゃって。莟玉さんお喜世ちゃんも戸惑いと寂しさの入り混じったような表情をしていて胸がギュッとなった。ここで一瞬たりとも驚かず「そちを兄分としていては喜世に迷惑でもかかるのか」と問う綱豊は鋭い。ここで動揺する助右衛門は義士としては詰めが甘いけど、やっぱりお喜世ちゃんに迷惑をかけたくない思いが強かったのね…と涙。(幸四郎さんの兄感に弱い)
  • ネズミを捕まえるくだりの仁左衛門さんの台詞回しが好きすぎる。「そろりそろりと開けてみたれば、中はからっぽ!」ここの幸四郎さんの「や!(煙草を落とす)」も好き。
  • 勘解由の歌六さん、すごくいい。学者としての聡明さと、「侍ごころ」を重んじる武士としての誇りが素敵な人物。綱豊が唯一本心を話せる相手なのかなと考えても大いに納得。それはさておき声がいい。低くて渋くてかっこいい。好き。
  • 江島の孝太郎さんも、とってもいい。出番としては最初の茶屋の場面がほとんどだけど、私は最後の能舞台裏の場面が好き。綱豊がわざわざ江島を名指しして助右衛門を「阿呆払い」するように言い、一瞬でその意図を汲み取って返す「かしこまりました」。この言葉のなんと頼もしいことよ。
  • 箍がありゃこそ桶でございます

 

最後に

赤穂浪人たちですらはっきりとはわからない今の大石の心情を「誤って手から離した征矢の行方を淋しくじっと眺めている」と読んだ綱豊。

この読みはたぶん、正解なんだろうな。

自分の命を危険に晒してまで助右衛門を止め、これを伝えてくれる綱豊の大きさもさることながら。

誰にも理解されない内蔵助の心情を(自発的にではないとはいえ)知ることができた助右衛門は、内蔵助のいちばんの理解者になれるのではないかと感じた。

元禄忠臣蔵はこの御浜御殿綱豊卿しか観たことがないのだけど、この後どうなるのかがとても気になる!

通しで観てみたいな〜

 

 

2年間待ち焦がれた再演『死の笛』

再演『死の笛』を観てきました。

2年前に一度観たきりだからあまり覚えていないかと思ったけど、見始めると思い出すものですね。

「こんな場面あった!ということは次は…」とどんどん記憶がよみがえってきた。

初演の感想

nonnopan.hatenablog.jp

 

今回の再演版では、2年前から演出や台詞が結構変わってたな。

以下、初演との相違点をメインに再演版の感想。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

それぞれ1回しか観てないので記憶違いもあるかも。

カノオ=演:安田顕さん ウスダ=演:林遣都さん

 

初演版との違い

白い人!亡霊?

これ、いちばんの違いでは。

初演では、白い両腕がパッと伸びてきてカノオの首を絞める場面が2回あった。

再演では、1回目の首絞めは初演と同じ腕。2回目には全身白い格好をして能面みたいなものを着けた人(亡霊?)が出てきて、ロープを結んだ首吊り紐をカノオの首にかけてしっかり絞める。

カノオの記憶の中のヨヨコ(娘)の死体は、両手両足と首にロープをかけて木に吊られていたそうだから、ロープというのはその記憶とのリンクもあるのかな…

腕だと思って心の準備はできていたのに、急に人が出てくるから…「ヒッ」と初演の腕を観たときと同じ反応をしてしまった。

カノオとウスダのお尻

細かく言えば、常にお尻が丸出しの戦闘服、注射を打つ場所、お尻のQRコード。

おもしろ方面の細工かと思ったんだけど(その意味もあるとは思うけど)、お尻丸出しの服を着てることで普通の人間とはズレてることがわかるし、QRコードが体に印字されてるなんて"造られたもの”であることの証としか思えない。

注射は、初演では普通に腕とかに打ってたような気がするのでQRコードを見せるために変更されたのかなと思った。

注射と言えば、1本の注射を分け合って互いに打ち合う場面も今回追加されたと思うんだけど、あれよかったな!

カヤヤのお父さん

カノオに刷り込まれた偽の記憶のベースとなった、カヤヤという子の殺害事件。それを悔いるカヤヤのお父さんのメッセージが明らかになる方法が変わってた。

初演では、カヤヤ父の手紙を見つけたカノオが手紙を読み上げる。

再演では、無線機からカヤヤ父の声が直接流れる。

単純に観客にとってわかりやすくなった気がするし、たぶんあの音声(を加工したもの?)をカノオに定期的に聞かせることであの記憶を刷り込んでるのよね。初期プログラムみたいなものにも組み込まれてるのかもしれないけど。あんなものを何度も聞かせてくる人(開発チーム?軍の偉い人?)の非常さも感じた。

あと、劇中には全く出てこないカヤヤ父の無念さにも思いを馳せてしまう。犯人、見つかるといいな。

ウスダへの刷り込み内容をカノオが聞いてしまう

カノオがひとりのときに無線の呼び出し音が鳴り、カノオは自分の国の無線ではなかったためウスダの国の無線に応答する。

そこで、ウスダの想い人であるカガリネさんの「明日家にいらして」という言葉を聞いてしまう。

この場面は、完全に今回追加されたものだったと思う。

カノオもウスダも、こうやって日々刷り込みをされてるんだな…

そしてゾッとしたのは、無線に応答したのがウスダではなくカノオであったにも関わらずカガリネさんの音声が流れたこと。

つまり、あの音声を聞かせてくる人たちは、応答者の声なんて最初から全く聞いてないんだ。

再会時の記憶

これに関しては内容が変わったのか、私の記憶がおかしいのか、おかしくないけど感じ方が変わったのか、自信がない。でも個人的には大きな変化だったように感じた。

初演を観た後の記憶として、カノオとウスダははじめから互いに覚えていたけどあえて触れないようにしてた印象が残ってる。

今回は、ウスダが蘇生された人間であることをカノオが知らなかったような台詞があった。(あえてそうしてる、みたいな白々しさも感じなかった。)

再会した時点では、本当に互いに覚えてなかったのかな。

ウスダはカノオに首を絞められてるときに、カノオはウスダから「いっそ殺してくれ」と頼まれてるときに、それぞれ過去のことを思い出したように感じた。

そしてカノオの「知能ない」という、到底サラリーマンが他社リーマンに言ってはいけない言葉をきっかけに、ふたりが当時の言葉で会話をし始める。

最後のダンスシーン、本当に素敵だった…

ふたりとも泣いてるけど、穏やかな顔してるんだよね。特に安田さんが林さんに向ける眼差し。慈愛の表情…

その他の相違点

意味があるのかないのかわからないけど、前回と違うなと思った点。

  • ウスダが自分の取説?を読み上げてカノオが自分たちの正体に気づくところ。初演では屋根の上だったけど今回は下だった。
  • 写真集、前回はえなこさんのもので、台詞でも「えなこ!」とか言ってた気がする。今回は名前は呼ばず、写真集に印字されてる名前も別の人(たぶん架空の人)のものだった。正直えなこのほうがおもしろかったけど、これは映像化するための権利の関係だ!と前向きに捉えてる。
  • ウスダの好きな人の名前が変わってた。前回の名前を全く思い出せないんだけど、洋風の名前だった気が。カガリネさんの由来はなんだろ。
  • 死の笛に「エエカチチトリ」という名前がついた。
  • 最後の場面の衣装。初演では安田さん帽子かぶってなかった。

気になった点

初演との違いではないけど、今回初めて気がついたor気になった点

  • 「息がくさい」個人的にこういうネタが好きではないので書くか迷ったのですが… ウスダがカノオにこれを言ったとき、1回だけ「死体と同じ匂いがする」って言ったんだよね。その後にふたりで嗅ぎ合って共にうえーってなる。ふたりとも死体であることの伏線なんだろうか。
  • 女性の声で聞こえる、あの呪文みたいな支離滅裂の長い文章。最後は確か「コーヒーの泡は平行四辺形の袖を濡らす」だった。何か意味があるのかなと思って、各単語の頭文字を拾ってみたりしたけど特にどうもならなかった。意味があるのなら知りたいけど、あえて意味を持たないように作ってるのかもしれない。

安田さん萌えポイント

私は安田さんのファンなので、作品だけではなく安田さんの魅力も書きたい。といっても全部よくて、特にここが!というのは逆に難しいんだけど。

ごぼう

劇中でカノオがごぼうを切るシーンが何度かある。なかなか安田さんがお料理するところなど見られないので、双眼鏡でガン見しました。

上手だった。かっこよかった。

日本刀…?

終盤、調理場の周りで戦争が本格化し、ふたりも互いに敵として対峙するという場面。

安田さんは刃の部分がちょっと長めの包丁を持ってた。両手を少しずらして包丁の柄の部分を握り、上からゆっくりと降ろして体の正面に構える。からの林さんを睨み、包丁を少し斜めに傾ける。という一連の動作が、日本刀を構えるときのそれのようでめっっっちゃくちゃかっこよかった!!!

涙

萌えポイントというか、俳優安田顕の魅力。 

安田さんの泣きの芝居は昔から大好き&大尊敬なのだけど、最近になって泣きの中でも種類があることに気づいた。

ボロボロでグチャグチャのやつ(観てるこちらも大号泣してしまい頭痛くなる)も大好きだし、瞳を潤ませながら、または涙をツーッと流しながら薄く微笑む(観てるこちらも涙目)のも大好き。

最後のダンスシーンで、赤い目と涙に濡れた頬のまま優しい微笑みを浮かべていてズキュン!ときた。

声

これも俳優安田顕の魅力。低くて渋い地の声も大好きだけど、役柄や心情に応じて変幻自在に使い分ける声も素晴らしい!

ウスダを警戒してるときは低い声、心を許すに従って少し高く明るい声になっていく。心の距離が伝わってきてさすがだなあと思う。

あと、ウスダのためにカガリネさん役をやってあげるところの声が「安田顕が演じる女性」の声すぎて好き。

単に高い声というだけではなく淑やかで優しい話し方にもなって、ああ女性だなと思う。

本物の女性の声とはもちろん違うんだけど、歌舞伎の女方と一緒で「安田顕が演じる女性」というジャンルがあるようなイメージ。

最後に

戦場を舞台にしたこの作品、やっぱり最近の日本に漂う不穏な空気を思わずにいられない。

安田さん自身も「2年前より切実」「現実が再演の意義を与えた」と仰ってる。

 

劇中のいくつかの台詞に、今、そして近い将来の日本を重ね合わせて憂鬱になったりもした。

そんなことを観劇中に考えなくてもいい時代になりますように。

 

お昼に食べたガパオライスおいしかった〜

 

 

演劇好きに観てほしい『爆烈忠臣蔵』

劇団☆新感線の『爆烈忠臣蔵~桜吹雪THUNDERSTRUCK』を観てきました!

感想というか、好きなところメモ。

新感線初心者なのでいろいろ大目に見てください。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

歌舞伎知っててよかった!より楽しめた気がする!

歌舞伎もそんなに詳しいわけではないけど、テッパンの演出はわかるようになってきたし、3月に仮名手本忠臣蔵を通しで観たばかりなのが大きい。

名場面が多かった!

 

橋本じゅんさん演じる荒蔵がいきなり定九郎の拵えで登場。

濡れ髪整える仕草の中に、耳に入った水抜く仕草が入ってて笑う。

「ごじゅ〜うりょ〜〜う!」

腕が縞財布突き破っちゃってるのよww

クマに襲われながら叫ぶ「一度開いた幕は何があっても途中で降ろしちゃいけねぇんだよ!」

幾度となく聞いてきた台詞だけど、やっぱり胸にくるものがある…

 

主演のお破(おやぶ)を演じる小池栄子さんはほぼ出ずっぱり。

序盤で大星由良之助(大石内蔵助)を演じたいと発言していて、きっと叶うんだろうなとは思ったけど、正直小池さんが由良之助の拵えするイメージは湧かなくて。

終盤に内蔵助として出てきてびっくり!

裾の長い真っ赤な衣装にポニーテル。かっこいい!似合う!

 

出てくるだけで場が引き締まる古田新太さん。圧倒的スター感!

テレビで観るときとは印象の違う、太くていい声。

「ここを仕切ってるのは俺だ」という台詞で、マダレを思い出すなど。

馬(笑)に乗って出てきたタイミングで、なぜかサンバやるな?と気づいた。我ながらなんでだろ、メイク?

サンバ、似合う。もうちょっと見たかった。

お破の芝居への熱に当てられて覚醒してからの、アツい早口長台詞も素敵だった〜!

 

早乙女太一さん、女方の役者!

女方での高速立廻り、美しすぎて鳥肌立った…

何あれ…大衆演劇の役者さんって皆さんあんなことできるの?太一さんがすごすぎるだけ??

後半に、川原正嗣さん(歌舞伎NEXT朧の森のヤスマサ将軍)との一騎討ちの場面があり、これもゾクゾクした。

おそらく今回の座組の中で最も立廻りに長けたお二人。本当に綺麗で、見てて興奮する立廻りだった。

太一さん、舞台の真ん中で小池栄子さんたちがメインの芝居をしてるときは端で立ってそれを見てることが多かったんだけど、そのときの立ち姿もめちゃくちゃ様になってて見惚れてしまった。

 

向井理さん、生で見たのは初めて。顔が…いい…!

いやイケメンなのもそうなんだけど、「優しそうだけど何考えてるかわからない」感じがとても似合うなと思った。

太一さんと2人、セットの2階から小池さんたちを見下ろしてる表情がとてもよかった。

向井さん演じる天外「無理をなんとかするのが狂言作者の仕事」

ほんと、そうだよね!!!(推し狂言作者を思い浮かべながら)

 

新感線の密かなる推し、栗根まことさん!

火事の後、感情を見せるシーンがよかったな。

古田さんに台詞とられて怒るというおもしろシーンでなぜか泣いた。

 

密かなる推しもうお一方、右近健一さん!

初登場のインパクトよ。クリスティーヌ…?

かわいすぎる水野忠邦だった。

そして、やっぱり歌がすごい。オペラ座の怪人の間奏のあの高音、男性でも出るんだ!びっくり。

 

橋本さとしさん演じる遠山の金さん、とても刺さった…!

本心と立場の狭間で葛藤する人物、大好き。

きらら浮世伝で錦之助さんが演じてた初鹿野を思い出した。

初鹿野は結局敵となってしまったけど、金さんは立場を守りつつお破たちに助言してくれたり、最後には藤川を説得してくれたり。

さとしさん、舞台で観たのは初めてかな。出演作調べてみたら、ことごとく観たミュージカル作品の観てないほうのキャストだった。

歌お上手でかっこよかった〜!

 

鮒侍!あの憎き高師直の場面だ!

…あれ、こんな台詞あったっけ?と思ったら、お破のアドリブ(史実とされている言葉)が付け加えられていたらしい。

うわ〜!これがわかったの、とても嬉しい!

 

忠臣蔵以外にも歌舞伎らしい趣向がたくさん取り入れられてた。

附けは録音ではなく生音。本物の附け打ち、山﨑徹さん!

歌舞伎NEXT朧の森でも打ってくれていた方で、もともと新感線とご縁があるのかな?と思っていたけど、どうやら幸四郎さんが染五郎時代に新感線に出たご縁が繋がってのことらしい。(山﨑さんインスタより)

私が座ったのは3階上手の席で花道が全く見えなかったので、役者さんが花道駆けてくるところとか見得?(見えないので定かでない)とかは、山﨑さんロックオンで見てた。

 

役者さん、本舞台でも見得してたな。

ド派手な照明、ロック、附けの音に合わせた見得は、歌舞伎とはまた違ったかっこよさがあってこちらも大好き!

 

向井さんの二役早替り、お見事だった!

特に終盤、天外と藤川が顔を合わせる場面。

「天外が捌ける→吹替の人が籠に入る→籠を開ける」の一連で胸が高鳴った。

籠から向井さん出てきて大拍手!かと思いきやそうでもなくて、もしかしてすごすぎてお客さん入れ替わったの気づいてない…?

この後もう一度天外になってみんなに合流するところがいちばん早かった気がする。

すごかったな〜!

ただこの二人って結局どういう関係なのか明かされなかったような…?

天外の語りからして、生き別れの兄弟かなと思ったけど、それを断定する台詞はなかった、と思う。

あそこまで示せばわかるだろ的な…?

 

序盤の、森の動物たちが手伝ってのお破の早替りは笑った。

動物たちみんなかわいかったな〜!

急に子ども向けミュージカルみたいになって。

特にアライグマが好きでした。

一輪車に乗れるクマもすごい!

 

ラストの古田さん口上「隅から隅までずずずいと」チョン!と、下手の舞台袖で柝を打つ本物の狂言作者さん(かな?)が見えて、グッときた。

 

歌舞伎だけでなくいろんなエンタメのパロディ満載で楽しかった!

マツケンサンバ、遠山の金さん、暴れん坊将軍。

ロミジュリ、オペラ座、セーラームーン。セーラームーンは白浪五人男ともかけてたのかな。

なんかワイヤーが見えて、宙乗り!誰が飛ぶの?と期待してたら太一さん!

(フライングと言うべきなのかもしれないけど、歌舞伎モチーフだったのであえての宙乗り)

タキシード仮面ならぬ陣羽織仮面、理解するのに時間がかかって、じわじわ笑ったww

 

そして忠臣蔵、大詰の吉良ってそんなにみんなやりたい役かな?と疑問に思ってたら、なんかやたらカラフルな吉良がどんどんとww

7色揃って笑ってたらバックから照明パーン!音楽ドーン!

7人のシルエットが浮かび上がって映し出されるタイトル「吉良上野介の七人」

髑髏城だ〜!

ここ、新感線初心者の私ですらテンション上がったのに、長年のファン泣いちゃうのでは?いや笑うか?

とにかくアツい演出だった!

 

観劇中、ここ数年に観たいろんなお芝居や実際の出来事が次々と思い起こされ、自分でもよくわからないタイミングでたびたび涙…

何度も出てくる「嘘を真に」「わざおぎ」という言葉。

俳優という職業は、まさに嘘を本当にする仕事なんだよなあ…としみじみした。

 

帰ってからダウンロードした配役表見てて気づいた。

舞踊振付・所作指導:尾上菊之丞

女方所作指導:尾上菊三呂

全然知らなかった!なんか嬉しい!

 

改めて「私は演劇が好きだ!」と思える、素敵な作品でした。

これにて今年の観劇納めの予定だったけど、良すぎた&花道見えなかったのだけは消化不良で、チケ松見ちゃってる〜

 

🌸終わり🌸

 

 

三谷かぶき『歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)』感想

吉例顔見世大歌舞伎、三谷かぶき『歌舞伎絶対続魂(ショウ・マスト・ゴー・オン)〜幕を閉めるな〜』を観てきました!

本当におもしろくて笑いっぱなしの2時間!

好きすぎて結局5回観たので、内容メモと簡単な感想、それぞれの観劇で気づいたことなど。

感想文というより、もはや見守り日誌みたいになってしまった。

※以下、思いっきりネタバレしてますのでご注意ください。

11月2日(初見)初日

狂言作者花桐冬五郎役の幸四郎さん。

いつものことながら顔がいい!

いつもよりちょっと高めの声、口調も女性っぽい?と思っていたら、後に明かされるけど実は元女方の役者!意外な設定。

本筋とは一切関係ないところでずっと刺繍してるのかわいすぎでは…

刺繍のデザインは「えびすや」。

獅童さん演じる役者の屋号。贔屓なの??

 

座元藤川半蔵役の愛之助さん。関西弁!

ショウ・マスト・ゴー・オンの精神がいちばん強い人物でかっこいいなと思ってたんだけど、そもそもこの人が全ての発端だった。笑

 

獅童さん演じる山本小平次は、四の切で忠信を演じる役者。

個人的には(役が)あまり好きではなかったけど、ラストの二人狐はとてもよかったな!

 

染五郎くんは二役!

狂言作者見習(つまり幸四郎さんの弟子!)の花桐番吉と、なんか偉そうな義経役者の坂田虎尾(作中では「若旦那」と呼ばれてることが多かった)。

親子の絡みはやっぱりいいね。

染五郎くん演じる番吉の父親(元役者)が演技が下手で不細工だった、と悪口を言われてなぜかキレる幸四郎さん。

序盤から早速の親子ネタ、ありがとうございます。笑

染五郎くん、義経の拵え似合うな〜!

(ショウマストの感想からはズレるけど、染五郎義経、團子忠信、左近静で四の切観たい!となった。)

番吉と虎尾、どちらかは常に出てるような感じだったので染五郎くん大忙しだったけど、そうは感じさせないさすがの演じ分けだった!

 

三谷作品好きにはお馴染みの役者さん、阿南健治さんは大道具方の儀右衛門というお役。

幸四郎さん冬五郎が染五郎くん番吉に阿南さんを説明するときの台詞はアドリブかな。

「東京さんしゃいんぼーいずの…口に拳が入る…昔、帯状疱疹になって…それで広告がきたって…」染五郎くん笑ってたような。

私も阿南さんには帯状疱疹のイメージが強いので爆笑だった。

 

白鸚さんと染五郎くんの場面、よかった…!

高麗屋三代の場面はどうしても期待してしまうよね。今回幸四郎さんは直接関わっていないけど、捌けずに舞台上に残って、三代揃ってくれて嬉しい。

白鸚さん演じる役者の叶琴左衛門は何度も番吉の名前を間違えるんだけど、最後は「ボン吉」うわー!みんな好きなやつ〜!

というかむしろ、これをやりたいがために役名番吉にしたな??(好き)

白鸚さんが肩ポンポンしてあげるとき、されやすいように自分から近づく孫がかわいい😊

 

橋之助さん演じる浅尾天太郎と歌之助くん演じる市山赤福(ともに立役の役者)、それから莟玉さん演じる篠塚五十鈴(女方の役者)は幼馴染の設定。

なんか…エモい…

橋之助さん天太郎が「忠信やりたい」、莟玉さん五十鈴が「そのときは私が静御前」と夢を語り合うとき、

出番を終えて戻ってきた歌之助くん赤福が「五十鈴ちゃん、やったよ!」って報告するとき(正確な言い回しは忘れたけど、確かに「ちゃん」呼びだった)、

タッチ観てるのかと思ったよ。

橋歌ご兄弟、莟玉さんに惚れてない…?

 

赤福は博打屋の息子。天太郎は歌舞伎の家の子。互いを意識せずにはいられない関係性。笑

「どっかで聞いたことあるような話だなあ!」ツッコんでるのが鴈治郎さんなのがまたおかしかった。

 

ダブル亀井はめっちゃ笑った。これは兄弟ならでは!

(福之助さんも観たかった… 橋之助さんがめちゃよかったからこそね!!!)

染五郎くん番吉、2回目の「亀井六郎入りまーす!」の言い方がとても困惑してる感出ててよかった。笑

 

莟玉さん、腰元の拵えで男性の声出してるの新鮮!

「緊張しなくて大丈夫だよ。腰元観てる人あんまりいないから」いやいやいや😅

なんと気まずいことを。爆笑だったけども!

(静御前をやれると決まって)「ッシャー!!!(野太い声)」最高。笑

 

別の会見で勘九郎さんと七之助さんが「鶴松がいいお役もらったようで」とコメントしていたけど、大いに納得。

正体明かす前も十分に「いい」(かわいらしい)お役だったけど、それ以上だった!

竹田出雲の弟子、半二。と見せかけて実は竹田出雲!

ひとりだけ悪役みたいになっちゃってこれ最後どうするの?と思ったけど、いい芝居を観て「負けてらんないな!」って走り去っていくの大変よかった。

鶴松さん、かわいいお役も爽やかなお役も似合うけど、ちょっとニヒルなお役も意外性があっていい!ぜひまた観てみたい。

 

彌十郎さん演じる竹島いせ菊は女方の役者。

彌十郎さんの静、おもしろかった😂

顎が何度外れても場を繋ぐために踊り続ける健気な静…

交替させないであげて〜!

 

阿南さんと、もうひとりの三谷作品常連の役者さん、浅野和之さん!骨つぎ玄福役。

ある意味いちばんクレイジーな役だった。

あれはもう三谷さんが観たい浅野さんでしょww

彌十郎さんとセットでおもしろすぎたな…!

 

新悟さん演じる遊女のお久、想像以上に複雑な役どころだった。

女性が男装して女方やる、という設定だけどそもそもその女性を演じている新悟さんは男性なわけで。

この芝居に出てくる唯一の女性なのに「女に見えない」「立役のほうが向いてる」と言われ。

駿河次郎、笑った。なんか…和事?優しげな駿河。

でも不機嫌なのがまたおもしろい。

新悟さんお久が「髪剃られた!」って怒って、詰め寄られる染五郎くん虎尾がちょっと笑ってるのよかった。笑

からの「惚れ直した!」…なんでだよ(笑)

 

ほぼほぼ舞台裏のセットで物語が進んでいくけど、終盤に初めての転換。

廻り舞台が回転すると四の切のセット!

彌十郎さんと交替した莟玉さん静、かわいいのなんのって…!

静役が嬉しすぎてニヤニヤしちゃったり、狐たちに振り回されて困惑したり、狐たちの暴走を誤魔化そうとアンガールズみたいな踊りするのも全部全部かわいい!

ちょっとあの子には惚れてしまう…

 

この転換前に「忠信役を冬五郎にお願い」と打診する場面があったものの、実際どうなるのかははっきりしておらず…

静が鼓を打って忠信を呼ぶのでドキドキ。

中央の階段ガン見しててもなかなか出て来ず。静も困惑(困り顔もかわいい)。

揚幕チャリン「出があるで!」に騙されずに階段見続けてると、花道を愛之助さん座元が慌てて駆けてくるという逆サプライズ。笑

そして静の足ダンッを合図に階段から狐忠信登場!幸四郎さんだ!!!

うわー!まさか幸四郎さん忠信を観られる日が来るとは!嬉しすぎ!!!

(やったことあります…?サラッと調べた感じなさそうだった)

 

ところどころ端折ってたし、途中で彌十郎さん静とそれを止めるダブル亀井の乱入(カオス)とかもあったけど、割と忠実に再現されてた。

幸四郎さんの狐詞!かわいい!

 

静に刀振り上げられて忠信が海老反りになるところ、心配しながら観てたけど(ごめんなさい)一瞬だけちゃんと成功。

(本気でやればきっともっと長時間できるよ!)

鼓を静にパスし、豪快な階段落ち。これ毎日やるの…?心配!

 

浅野さん骨つぎを踏み台にして😂なんとか元の芝居へ。

🐼「さてはそなたは狐じゃな?」

🦊「アーッ!」と言うけど消えない忠信。あれ?あれ?「アーッ!」ともう1回やってみる(かわいい)

幸四郎さん忠信が消えたと思ったら、いつものところから獅童さん狐が登場ww

そして少し遅れて幸四郎さん狐も登場して、ダブル狐に。カオス…

幸四郎さんのほうは、きちんとした狐の衣装ではなくそこら辺にあったモフモフ纏ってみました、みたいなチグハグな格好。

そっか、衣装なかったからあり合わせのもので用意したのね。だから登場までに時間かかったんだ。笑

ダブル狐はどちらも捌けず、そのまま結構な長台詞を二人ユニゾンで喋ったり(すごい)、欄干をダブル50代が渡ったり(心配)。

 

宗之助さん演じる附師が囃子方に演奏させる新曲が、なぜか平井堅のPOP STAR。

絶妙な懐メロだし全世代知ってる曲…か…?笑

いい声の唄も入り、最初は狐たち、次第にみんな出てきてミュージカルのエンディングみたいにみんなで踊る。

曲はPOP STARなのに振りは歌舞伎の舞踊っぽいの、おもしろい。

最後に走って飛び出してきた新悟さんお久が、彌十郎さん(父)静を押しのけて染五郎くん義経にピタッとくっついててかわいいやらおかしいやら。

愛之助さん座元が柝を打って、鴈治郎さん頭取が蓬莱座の幕を閉めて、気持ちよく打出し。かと思ったら、再び舞台裏の場面へ。

 

幸四郎さん冬五郎が明日以降の二人狐に思いのほか乗り気だったり、白鸚さん琴左衛門も明日の舞台に出るつもりで発声練習していたり。

これが個人的にすごく好きだった。

明日からも芝居小屋の日常は続いていくんだよなあ…

幸四郎さんがひとりになって、パッと暗転して幕。

 

明るくなって、全員出てきてくれて三方礼。

カテコにも応えてみんなでお手振りしてくれて、本当に幕。

 

すっっっごく楽しかった!

舞台上で同時にいろいろなことが起こるので、目が足りなかった。

上手で橋歌兄弟、下手で高麗屋親子が同時に喧嘩してるなんて、どっち見れば?状態じゃん😂

あと何度か観劇できる予定なので、本当に楽しみ!!!

 


11月8日(観劇2度目)

観劇1回ごとに条件(入れる知識)を変えようと思っていて、今回は

という条件。

席も初日は1階上手前方、今回は3階下手だったので、見えるものが全然違った!

 

冒頭の「酔っ払った芝居」のくだりは、その後に出てくる小平次の芝居に繋がるのね。

鴈治郎さんも獅童さんも酔っ払いの芝居上手すぎ。ちゃんと目が据わってるww

 

染五郎くん番吉の父親が芝居上手くなかったと言われキレる幸四郎さん冬五郎、のくだりで頭取が「誰のこと言ってんねん!」ってツッコむの、初日からあったっけ?

より観客に伝わりやすくなった気がする!

 

冬五郎が番吉に阿南さんを説明する台詞は、初日とほぼ一緒。だけど1ネタ増えてた。

「東京さんしゃいんぼーいずの…口に拳が入る人…この間(口に拳入れるポーズして)見せてもらったら「痛い痛い」って言ってた…」

実際のエピソードだったらおもしろいな(笑)

 

小平次、初見のときはあまり好きじゃないと思ったけど、下手側で観ると愛おしくなってくる。これがいちばんの違いだったかもしれない。

獅子の汗かきタイムとか、座元に「俺は追い出したりしない」って言われて俄然やる気になっちゃう感じとか。

座元に手振りながら捌けていくのかわいかった!

 

儀右衛門さんが作り直す幟が、初日は白黒だったけど今回は3色くらいのカラーになっていて、より「作り直すの大変」感が出ててよかった!

これ、初日過ぎてから「やっぱりカラーにしたほうが」って意見が出て、それを小道具さんすぐに反映して作ってくれたってことだよね。

日常的なことなんだろうけど、そういう仕事にも敬意を表したくなる作品だなあ。

 

染五郎くんの早替り、前回はあまり気にしてなかったけどめっちゃ顔変わってる!

番吉の肌色と、虎尾(義経)の白塗り。どうしてるの、すごい!

吹き替えのところも改めて注目して見たらかなり器用なことしてた。

対談で三谷さんにベタ褒めされてた「ダメだ!」と落とすところも爆笑だった😂

 

亀井の分身、見本の鴈治郎さん幸四郎さんバージョンより橋之助さん歌之助くんバージョンのほうが豪華なのおもしろい。

息ぴったりでさすが兄弟、じゃなかった幼馴染!

舞台上で分身するときの照明が舞台裏まで漏れてくるのも、想像力掻き立てられて良い。

 

正体を知った状態で観ると、序盤から鶴松さんのお芝居がすごく意味ありげでニヤニヤしちゃう。

本当にいいお役だし、この役が鶴松さんでよかったなあ…

「爽やかな青年→敵→なんか憎めないヤツ」の変遷が素晴らしくて。

鶴松さんの現代劇が観たいよ〜!

男女蔵さん演じる半二の存在も大きい。なんで師匠のこと縛っちゃうのww

小平次が最初、間違って鶴松さんに挨拶しちゃうのもただのボケじゃなくて伏線だったのね。三谷作品すぎる…!

 

舞台上、基本的には同時にいろんなことが起こってるけど、竹田出雲との対峙のような大事なところではいつもの歌舞伎作品のようにメイン以外の役者が静止して、見せたい人物にちゃんとフォーカスがいく。

その使い分けが素晴らしいな。それまでわちゃわちゃしてた分、よりグッと引き込まれるというか…

 

トラブル続きで嫌になって「仮眠!」って花道で寝ちゃう冬五郎さん(かわいい)

番吉の父親が観に来てるという話に「覚醒!」の冬五郎さんに、笑いつつもジンとしてしまった。

息子くらいの年齢の弟子が親孝行したいと言ってるのを聞いて、叶えてあげたいと思ったのかな。

(自分の知り合いでもある)番吉の父に対する想いというよりは、番吉に対する親心のようなものなんじゃないかな、と思った。

 

冬五郎と儀右衛門の、花道でのやりとりも好き。

「絶対に間に合わない」と言う儀右衛門に、「そこをなんとか!」の冬五郎。

花道での二人芝居という状況も相まって先ほどの番吉とのシーンと重なり、親孝行したい番吉のために冬五郎が無理を承知で頼み込んでるように見えて、ウルッとしてしまった。

…からの儀右衛門「言ってみただけだよ!」めちゃくちゃ頼りになる〜!

 

愛之助さん座元が、要所要所でこのお芝居を引き締めてるように感じた。

竹田出雲に「帰す訳にはいかない」とバシッと言うところも、場面が本舞台に変わる前の「蓬莱座、吉例顔見世大歌舞伎!…」と高らかに言うところもかっこよかった。

あと「今日が初めてなんです」と言う附打くんに「そんなことお客様には関係あらへん」と言い切るのも。舞台裏を描いた作品でこの台詞が出てくるの、すごく好きだ…!

 

浅野さんの小さな、でも確実に笑いをとる芝居が本当に素晴らしい!

腰元役で舞台に上がると決まったときの振りの確認とか。

舞台でへたり込んでるとき、後ろからいきなり「ポンッ!」てかけられてびっくりしてるのとか。

イヤホンガイドのアフタートークで浅野さんについて「出がまずおもしろい。いつのまにかいて、ふと笑いが途切れた瞬間にスポットが当たったように見える」「声が小さいのになぜか台詞がクリア」と言われていたのも納得。笑

 

莟玉さん静は相変わらずめっかわ!

細かいところだけど、五十鈴ちゃんが打ち終わった鼓を舞台裏に返しにいくのがすごくいい。

「今日は黒衣がいない」「鼓が1つしかない」という設定が繋がって、ちゃんと五十鈴ちゃんが裏に返してから鼓の音が聞こえ始めるの。三谷さん…!

 

幸四郎さん、普段とても軽やかに踊るのに蓬莱座の舞台上にいるときはなんかとても体が重そう。

狐忠信がジャンプで階段上るところの重量感よ。笑

知らない人が観たら「ああ〜やっぱり50代」って思われちゃいそうだけど、違うんです!

本気出したらもっと軽々と飛べるんです!

(いや先月の21歳🍡と比べたらさすがにアレかもしれないけどね)

「久しぶりに舞台に立つ冬五郎」だからなんだろうな〜!すごい!!!

 

POP STARのダンス、イヤホンガイドによると「振りは松本幸四郎。舞踊名、松本錦升」とな。わー!教えてくださりありがとうございます!!!

前回は幸四郎さんばっかり見てたので他の方も見てみたら、ダンスに個性が出てて楽しい。

莟玉さん静、かわいすぎか!静御前の拵えのまま満面の笑みでピョンピョン踊ってるのずるい!かわいい!

ダブル静御前の真ん中でご機嫌そうに踊る義経こと染五郎くんもかわいくてかっこいい。こういうちょっと現代的なダンスをすると年相応の若者らしさが垣間見えて、なんだか新鮮だった!

 

舞台裏に戻り、「親父さん何か言ってたか?」と聞く冬五郎に番吉が「心配したけど何事もなく終わってよかったと言ってました」みたいなことを答える場面。

この「何事もなく」という笑いポイントを強調する染五郎くんの台詞回しが、なんかゾクっとするくらい幸四郎さんに似てた…

 

冬五郎さんの最後の台詞「芝居町の繁栄」みたいなこと言ってたね。

イヤホンガイドのアフタートークでは「義経千本桜の最後の台詞」と言ってたけど、全くピンときてない。

この場面すごく好きなので、ちゃんと理解したいな〜!

 

カテコでは初日も今日も、幸四郎さんと愛之助さんがお話してるところを観測!仲良し〜

ダブルカテコのときは幸四郎さんがPOP STARの振り踊ってた😂

(宗之助さんも。確か初日もやってたようなww)

 


11月14日(観劇3度目)

今回は幕見席上手側から。

観劇前には、前回の三谷かぶき『月光露針路日本(つきあかりめざすふるさと)〜風雲児たち〜』の映像を鑑賞。

 

番吉、眉毛の形が変わってた。ちょっとアホっぽく見えて、キリリとした虎尾との差がより強調されてとてもいい!

 

冬五郎による阿南さん紹介は、最初の「東京サンシャインボーイズ」と最後の「ゴツい顔」は決まってて、その中で遊ぶ感じなのね。

今回は「1年に365回映画館に行ってて…雨の日も傘を持たないというこだわりがあって…こだわりと言えばね、アメリカに行ってカウボーイになったらしいのよ」どんだけ詰め込むの。笑

 

こっそり期待してた橋之助さん結婚ネタ。

小平次が捌けるとき、すれ違う天太郎に「ニヤニヤしやがって。めでてえことでもあったのか?」と酔っ払いながら絡んでた🙌

橋之助さん照れ笑いしながら獅童さんにペコペコお辞儀。おっきな拍手に応えて客席にも!

 

今回は3度目の観劇ということもあったし、幕見席だったので肉眼ではほぼ役者さんの表情が見えず、ずっと双眼鏡で観るならいっそメイン以外のところを見てみよう!と意識してみた。

(舞台の真ん中で声張ってる、そのときそのときの主役となる人たちのことをメインとしてます。)

 

高麗蔵さん演じる女方役者のあやめと、まだ正体を明かしていない鶴松さん半二が、下手側の長椅子に座って結構な時間二人でお話してた。

何話してるんだろ。

物語的には、あやめさんの出番削られた愚痴を半二が聞いてあげてる、というのがしっくりくるけど、そういう雰囲気じゃないんだよね。

むしろ半二の相談に乗ってあげてるような、包み込んでくれるような人生の大先輩のあやめさん。

この二人の組合せ、ちょっと意外だったけど好きだなあ〜

 

冬五郎さんの席も何度かガッツリ見てみた。附帳を実際に書くときと書くフリのときがあるのね。

実際に書くときはすでに何か書いてある見本みたいなのを写していて、一瞬だけ筆法伝授を思い出してしまった。

今回はそんなに意味のあることを書いてるようには見えなかったけど。笑

 

メイン以外のところで話すお芝居、内容はアドリブなのかな。きっとそうなんだろうな。

冬五郎さんと腰元3人が話してるところ(浅野さん骨つぎの拵えを待ってるときだったかな)で、幸四郎さんが何か言ったら腰元ズがみんな笑い出して。

幸四郎さんもちょっと笑ってて。

すぐに冬五郎さんの出番がやってきたのでほんの一瞬だったけど、いい場面見たなあ!

ちょっとそこだけ音量上げさせてください!

 

お久が髪剃られた!って虎尾に詰め寄るところ、剃られたことそのものよりも、自分がそこまで体張ってるのに本職の虎尾が「御簾が降りない」とか小さいことグチグチ言ってることに怒ってるんだよね。

その心意気を聞いた虎尾の「惚れ直した!」は、遊女であるお久の外見だけじゃなく内面まで見て惚れる瞬間で、とてもいいなあ。この二人にはずっとラブラブでいてほしい。

この後、メインは他の人に移るけど舞台の奥(本舞台に繋がる道)でも二人でお話してて、お久の頭のかゆいところを虎尾が掻いて(?)あげてて、ふたりとも笑顔で超かわいかった。

 

あとメインじゃない場面を観察してて改めて思ったのが、浅野さん良すぎ!ということ。

狐の百回りとか最後の踊りとか参加してくるのも(しかもキレキレ)めっちゃおもしろいんだけど。

ただ座り込んでるときも、冬五郎狐の芝居を見ながら(観客には背を向けたまま)狐手して、幸四郎さんに合わせて小さく一緒に芝居してたww

四の切の台本読み込んでるから全部頭に入ってるんだろうな。笑

 

何回か観てて感じた変化でいえば、今回の冬五郎さん狐の台詞回し、今までよりちょっとキュートめというか、役者っぽくないというか、いい意味で笑いを取りにいってる感があった。「なさりまするゥ」みたいな。

反対に、小平次さん狐が(途中まで)本物寄りになってた気がして、役者と役者じゃない人の対比がはっきりしててよかったな。

 

白鸚さんの声はやっぱり別格。

あの歌舞伎座の地下から響いてくるような豊かで深みのある声を「明日は出られるんだろうね?」とかで使ってるの最高。

 

あと本筋とは関係ないけど、「風雲児たち」観た直後だったので「男女蔵さん…!😭」となった。

半二、何も考えてなさそうだけど、ラストの展開を見るにあの師匠には思うところがあったのかな。

蓬莱座の附打さんとして、楽しくお仕事できるといいね!

 

過去2回、花道が見えないor台詞が聞き取りづらい席だったので、やっと役者さん見ながら台詞を聞けた。

二人狐+鳥屋から出てきた義経が揃い、義経が発するのは親子の再会を祝う台詞。

内容的には【本来の義経千本桜】の鼓(親)と狐(子)の再会、【義経千本桜(蓬莱座バージョン)】の狐の母(冬五郎)と狐の子(小平次)の再会がかかっていて。これだけで十分おもしろいのに。笑えるのに。

さらに、その染五郎義経の台詞を横で「ウンウン」と聞いてる幸四郎狐に爆笑してしまう。

ほんっとうに!すごいよなあ三谷幸喜…!!!

この場面、3回目の観劇で初めて内容をちゃんと認識できたので、次回以降もうちょっとしっかり観察したいところ。

 

歌舞伎音楽、好きなのに全然知識がなくて「こういうところがいい」と言語化できないのがいつも悔しい。

POP STARを演奏し始めるのは囃子方さんだけど、「君だけに〜♪」って唄で入ってくるのは竹本の太夫さん(だよね?)。

こういうコラボは珍しいのかなと感じたけど、どうなんだろ。

勉強します(ずっと言ってる)。

 

カテコは8日に観たときと同じような感じだったけど、ひとつ気付いたのはいちばん下手側にいる宗之助さん、幕が徐々に閉まってきて自分が隠れるか隠れないかギリギリのところでPOP STARの振りするというチャレンジしてる?笑

これは今後も観察していきたい。

 


11月23日(観劇4度目)

今回は6列目センター。今月いちばんいいお席!

観劇前に

を鑑賞。

あと、たまたま日程が被ってしまったのだけど当日に花道会セミナーで鶴松さんのお話を聞いたばかりでした。

筋書(写真入りを待ってた)も、このタイミングで購入。

 

番吉、お芝居変えた!

少し前からアホっぽく変えた顔とも合う、アホっぽい喋り方。

虎尾と同一人物には全く見えなくて、とてもいいと思う!

 

頭取が、元役者の番吉父をディスるところ、頭取の「芝居は大根やし」「不細工やし」に番吉、「だいこん!」「ぶさいく!」と合いの手入れてたww

喋り方も合いの手も、どなたかからのアドバイスなのか、ご自身の工夫なのか気になるところ。

 

今回、幸四郎さんと獅童さん(冬五郎と小平次ではなくて)が度々イチャイチャしてたような…

序盤で台詞かち合っちゃったか何かで笑ってたのはまあわかるんだけど。

その後、冬五郎が小平次にお水渡すところでも二人で何かコソコソ喋って笑い合ってた。

気になる〜!

 

宗之助さんが連れてきた囃子方がPOP STAR演奏するとき、幸四郎さん、締太鼓の方(筋書で確認したところ田中佐次郎さん)にめっちゃ絡む😂(前回もそうだった)

佐次郎さんだいぶ笑っちゃってるけど、曲の入りを見失わないのはさすが!

初日にはたぶんなかった、止められても締太鼓ひとりだけ演奏やめないというボケ、あれ幸四郎さんが吹き込んでるのかなww

 

今日は直前に鶴松さんのお話聞いてたこともあって、鶴松さんの細かいお芝居ひとつひとつも気になった。

小平次と顔を合わせる場面、挨拶のときだけじゃなく、鶴松さんの視界に小平次が入った瞬間に顔逸らして目合わせないようにしてた。

そっか最初から気づいてたのか…!

 

詳細は伏せるけど鶴松さんご本人がお話してた、舞台上から半二を呼ぶ場面の芝居のイメージは、言われてみれば確かにそう、か…?(イメージが抽象的すぎてよくわからん。笑)

 

あやめさんと二人でお話するところでは、手鏡を見ながらお化粧チェック(?)するあやめさんに鏡持たされてた。かわいい。

 

竹田出雲との対峙の場面は何度も鶴松さんガン見したので、今回は逆に他の人を見てみた。

そしたら、幸四郎さんに釘付けになってしまった…

さっきまで笑ったり慌てたりイキイキしてたのに、この場面だけ死んだ魚のような目をしてて…

竹田出雲に対して、怒りとも違う「無」、冷たいというか、温度のない表情してて、うわ怖…となって目が離せなかった。

 

五十鈴ちゃんに静御前の代役を、のくだりのとき、下手でめっちゃ嬉しそうにしてる赤福くんを見つけてキュン🫰

 

莟玉さん、かわいさとおもしろさが同居してるのがさすが。

偉そうな言い方になってしまうけど、センスがあるというか、勘がいいというか。

舞台上で浅野さんに「どうも」って感じで手挙げられたときの、困惑しながら手挙げ返す感じとか。

二人狐の暴走に翻弄されたり呆れたりするリアクションとか。

細かな芝居がいちいちツボ。そしてかわいい!

 

サンシャインボーイズ版のショウマスト観た直後だから、阿南さんにちょっとグッときてしまった。

切ない役だったんだよね…

そしてサンシャインボーイズで梶原善さんがやってた役に近いのが、今回の阿南さんのお役。

職人気質でちょっと恐れられてるけど、ノーとは言わない男。

「言ってみただけだよ〜頑張る!💪」かっこよかった!

 

浅野さんは今日も最高!

階段から落ちた冬五郎狐を助けに行くとき、外れた膝を治すのにキャップみたいに膝をキュッキュッとひねって、エアでなんか捨てたりしてたww

 

花道に二人狐と義経が揃う場面、義経もっとすごいこと(本物の四の切の台詞とか)言ってるのかと思ったけど「何はともあれ親子の再会」。

大したこと言ってなかった!笑

 

冬五郎さんの最後の台詞、配信の力も借りてようやく解明。(表記は間違ってるかも)

「四海太平、民安全。五穀豊穣の時を得て、穂に穂栄ゆる【芝居町】繁盛ならび、なかりけり」

義経千本桜の最後の詞章とのこと。

義経千本桜で散々遊び倒して、最後にあのシンとした空間での「穂に穂栄ゆる芝居町」はなんかグッとくるというか、原作リスペクトを感じてとても好きだ…!

 

カテコ、宗之助さんギリギリPOP STARチャレンジやっぱりしてるわww

 


11月26日(観劇5度目)千穐楽

千穐楽です。

8列目センブロ上手寄りのお席から。

今回は、先月歌舞伎座でかかっていた本物の四の切(Aプロ🍡)の配信を視聴してから観劇。

一度歌舞伎絶対続魂を観てしまうと邪念ばかりで笑ってしまうけど、真面目で素敵な演目です!

 

今回、千穐楽ということで皆さん弾けててモリモリスペシャルだったww

 

「若いうちは動いてナンボなのよ!」の冬五郎さん、振り切ってたな〜

それに応える番吉くんの首、というか全身をかしげる動きもだいぶ大袈裟(いい意味で)だった。笑

 

恒例の阿南さん紹介は、拳が口に入る、屁で音階が奏でられる、それで平井堅さんの曲を演奏してもらって、笑うかと思いきや泣いちゃった(?)

…何言ってるの??

 

お久ちゃん連れてきて無茶言う虎尾が、去り際に「な!頼んだよ!」と冬五郎さんの肩バシバシ叩いて冬五郎さんが「痛い痛い!」ってなるの好き。たぶん、月の途中から加わった演出。

普通に音聞こえるし、染五郎くん結構強めに叩いてると思うんだよねww(大好きです)

 

橋歌兄弟と高麗屋親子の喧嘩、いつも高麗屋ばかり見てしまうので今日は橋歌メインで。

本気のあっち向いてホイだった。

白熱しすぎて橋之助さんちょっと顔緩んでたし。笑

普通の兄弟の戯れ見せてもらったようで、なんだかありがたかった🙏

 

五十鈴ちゃんと附打芝助くんのやりとり、初めてちゃんと見た!

ほっこりかわいいかと思いきや五十鈴ちゃん意外と強めに指導してて笑った。

ふわふわなようでしっかり者だし、案外姉御肌なのかも。

 

半二()の鶴松さんと囃子方の廣太郎さんも二人で喋ってたな。

先日の花道会セミナーでも何度かお名前出してて楽しそうだったし、鶴松さんって廣太郎さん好きなのね。笑

素っぽい感じでしばらくお話してて、仲良さそうだった。

 

宗之助さん為右衛門が座元に新曲の提案するとき、ちょうど冬五郎さんが小平次にお水渡すところで、舞台上が同学年4人だけの空間になってることに気付いた!

なんか嬉しい。

 

前回も2人で笑ってたお水渡すところは、幸四郎さんが獅童さんを笑わせようと何かふっかけて、その結果2人とも笑っちゃってる感じだった。

獅童さんが「何すんだよ!」みたいな感じで笑いながら幸四郎さんの足ペシペシ叩いてて、ほんと同級生の戯れだったww

 

宗之助さん、今回だけ口に綿詰めすぎてた。笑

今までそんなことなかったのに今回は台詞聞き取りづらかったし😂

「タタタタタタッタ」の2回目、なぜか1オクターブ上げたし😂

静かに千穐楽楽しんでたな〜

 

酔っ払い小平次を舞台に送り出す冬五郎さんは「大丈夫、大丈夫、舞台こっちだよ〜」ってリアル酔っ払いの介抱だった。

 

幸四郎さん、やはり囃子方の佐次郎さんに絡む!

今回は鴈治郎さんも絡む。

鴈治郎さん、お団子の串渡して「これで叩いて!」って無茶振りして、普通に断られてたww

 

鶴松さん、莟玉さん、歌之助くんが3人でお話してるところも観測。ほっこりトリオ☺️

鶴松さん、まだ正体を明かしてはいないけど出雲側の人間だから他の人とは距離がある、というタイミング。

序盤に「僕はいいです(スンッ…)」みたいな素振りをしつつ、テンション上がってつい会話に混ざっちゃった!みたいな感じでお話してたのが上手いなあと思った!

 

虎尾に怒る髪剃られお久ちゃんが下手からサーッと滑って出てくるのおもしろすぎるww

先月の四の切では凛とした静御前を演じていた新悟さんがこんな姿に😂という違いでより笑えるのでホンモノ四の切(Aプロ)おすすめです。

 

もう一つ本物の四の切との違いという点では、本来役者さんが花道に出てきて言う台詞を、なぜか頭取が舞台袖から声張り上げて言うのも好き。「もぉしあげます!」ってやつ。

何のツッコミも説明もないけど、役者足りてないのかな。笑

「ござりまするぅ〜!」って語尾残しながら裏に戻ってくるところに、やっつけ感というか、やり慣れた仕事感を感じる。

3回目の、お久ちゃん駿河を舞台に出すためのアドリブ「駿河次郎火急の用にておいでにござりまする!静御前には四の五の言わずその鼓、渡して頂戴〜!」がまた、言い方も含めて最高😂

 

代役を打診されて一瞬だけ本物の狐の衣装を渡される冬五郎さんが「わぁあ!」って目輝かせてたの、ちょっとウルッときちゃった。

「私も役者だったらやってみたいなー!」って言ってたし、憧れてたんだろうなあ…

すぐに小平次に奪い返されちゃうけど。笑

 

廻り舞台が回るとき、上手と下手でそれぞれ落ちてくる黒い布を回収したり机と椅子を片付けたり、本当の舞台転換のお仕事を芝歌蔵さんたち大道具方役の皆さんがやってたのがとてもよかった!

 

あと、狐ダンスのときに黒御簾のほうを見たら、御簾内から巳太郎さんとか三味線の方たちが客席見て微笑んでるのが見えた。

普段他の演目で黒御簾を見てもせいぜい「人がいるな〜」くらいしかわからないけど、今回は誰がどんな表情してるかまでよく見えたのは、何でだろ。

単に照明とか座る位置の関係かもしれないけど、もし意図的に中が見やすい造りにしてたとしたらジンとしてしまう。

普段(お芝居では)顔が見えないけど、この方たちも一緒に舞台作ってる仲間だよ的な…?

 

狐の百回り、千穐楽スペシャル!

いつもより多めに回っております!って感じだった。

浅野さんがいつものタイミングで回るのやめたら2人ともまだ回ってて(息ピッタリさすが)、浅野さんまた回り始め、少しして再び様子伺うもまだ2人とも回ってて…って繰り返してた。

最後のほうヘロヘロで浅野さんちょっとかわいそうだったな。笑

結局、幸四郎さんが最後まで回ってた。

欄干に乗るとき冬五郎さんが毎回ヨロッとするのはお芝居だと思うけど、今回はあの超長い百回りの直後だからちょっとだけ本気で心配してしまった。

 

狐たちの暴走に手を焼く五十鈴ちゃんほんと好き。

めっちゃ台本飛ばした冬五郎さんへの「どこ!?」が、回を追うごとにわかりやすくなっててよかった。

小平次の「ははうえー!」への「(冬五郎さんと鼓を見比べながら)それはダメ!」も好きww

 

毎回書いてしまうけど、浅野さんはやっぱり最高!

舞台裏でも静かに台本読んでる瞬間を見つけてしまって、ああ本当に暇さえあれば読み込んでるんだな…と思った。

自分が腰元やると聞いたときの、嬉しそうな顔と「おもしろくなってきたっ♪」かわいい😂

膝をキュッキュッとひねってなんか捨てるのは、合う膝を探してる感じだった。

いくつか試してやっとハマった!さあ冬五郎助けに行くぞ!って感じ(?)

 

ラストの冬五郎さんの台詞、いい感じの大向うがかかって素敵だった。

「繁盛ならび」チョン\高麗屋!/「なかりけり〜」暗転

 

本編終わり、カテコ。

今日は千穐楽なのでトリプルカテコでした。やったー!

最後は万雷の拍手とともにスタオベ!

 

周りに促されて幸四郎さんが挨拶しようとすると、なぜか鴈治郎さんが一歩前に出て「え!」ってなる幸四郎さんww

愛之助さんの腕に掴まって崩れ落ちててかわいかった。

 

気を取り直して、幸四郎さんのご挨拶。

無事千穐楽を迎えることができました。

三谷さんは先ほどメッセージで、笑いで歌舞伎座のガラスを割ることを目標にしていたけど今回割れなかったのでまたやると言ってました。

そのときはぜひお越しください。

ご来場誠にありがとうございました!

 

恒例の宗之助さんギリギリPOP STARチャレンジ(と勝手に呼んでいる)、今回はお隣の鶴松さんを誘って一緒にピョンッて決めポーズしてくれた!

かわいい!おふたりとも!

この演目唯一の心残りは鶴松さんの踊りを見られなかったことなので、ポーズだけとはいえ本当に嬉しかった。

宗之助さんありがとうございます!

 

ということで、ついに終わってしまった三谷かぶき。

1つの作品を初日から千穐楽まで変化を楽しみながら見守るという経験が初めてだったのでめちゃくちゃ楽しかったし、私の歌舞伎沼の入口である三谷かぶきでそれができて最高に幸せだった。

1か月間ありがとうございました。

三谷さん、次も期待してます!!!

 

🦊終わり🦊