徒然なるまま

日々の記録

スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』感想

こんにちは。

スーパー歌舞伎ヤマトタケル』を観てきたので感想を残します。

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

今回の観劇は早くから予定していたものではなく、シネマ歌舞伎『阿弖流為』を観て生で歌舞伎を観たい気持ちが一気に高まり急遽行くことにしたものです。

公演の直前にチケットをとったので程よい席は軒並み完売しており、いい席(お高い席)か見切れ席かの2択。

迷った結果、せっかくだから!といい席を選びました。

私史上いちばん舞台に近い席で、しかもど真ん中。

上演中、何度も「今役者さんと目合った!?」とドキドキしてしまいました(笑)

 

観劇にあたって、予習をするかどうかとても悩みました。

基本的に演劇や映画は、ネタバレが嫌なので予備知識を一切入れずに観るのですが、日本神話のヤマトタケル伝説…!

ほぼ知らないけどついていける…?と不安でした。

そして、ここのところ阿弖流為を含め「知識あったほうが楽しめたかも!」と思う作品に立て続けに触れたこともあって、今回は後悔しないよう、ある程度の知識を入れてから観ることに決めました。

個人的には正解だったと思っています。

このブログの末尾に私が予習した内容をまとめているので、これから観劇される方はよろしければ参考にしてください。

 

前置きが長くなりましたが、ここから本編の感想です!

 

主人公の「小碓命(おうすのみこと)後にヤマトタケル」を演じるのは市川團子さん。

小碓命の双子の兄である大碓命(おおうすのみこと)との2役を演じます。

團子くんのお芝居を生で観るのは初めてだったのですが、弥次喜多シリーズの映像で12歳の頃から成長を見ているので「こんなに立派になって…!」という気持ちです。

 

第一幕の序盤は、とにかく早替りがすごい。

共に1人2役を演じる團子くんと中村米吉さんが、変わるがわる2つの役で登場します。

特に團子くんのほうは、兄弟2人で争う場面にびっくりします。

團子くんが兄を演じ、弟の代役(というのかな?)の方が客席に背を向けて2人で向き合っていたかと思えば、一瞬隠れて次に2人が出てきたときには團子くんが弟役になっているのです。

早替りというと2種類の衣装を重ねて着ていて脱ぐだけのようなイメージを持っていましたが、このシーンでは何度も兄→弟→兄→弟…と入れ替わるので、脱ぐだけではできないはず。

あの一瞬で衣装を着られるのはさすがです。ご本人はもちろん、裏方さんのサポートもすごいのでしょう。

 

米吉さんは、2役の演じ分けが完璧すぎてまるで別人を見ているようでした。

妹である弟橘姫(おとたちばなひめ)のときは若くて無邪気な少女のよう。

姉である兄橘姫(えたちばなひめ)のときは強くしなやかな女性のよう。

声色や話し方、所作が全く違うのです。

本当にすごかった…!

個人的に、今回の演目は米吉さんが大優勝だと思っています。

 

小碓命熊襲(くまそ)征伐に行き、女装して宴会に潜入するシーンは團子くんがかわいすぎて…!

踊り子の衣装が洋風(ではないのでしょうがそう見えた)でかわいいんです。

最初は真っ赤なドレス風の衣装。

團子くんの軽やかな舞いに合わせて衣装もひらひら揺れて綺麗。

その後、早替りで白ブラウスに緑色のロンスカ(ではないんだけど)に変身。

かわいい!!!

舞いも美しすぎるし、團子くんの回転に合わせてスカートがふわっと広がっていて、釘付けになってしまいました(笑)

本当にこのシーンかわいかったなー…

團子くんの女方をまだ観たことがないのですが、ぜひ観たい。早く観たい。

 

かわいかった踊り子が正体を表して女装のまま立ち回るのも、男の姿に戻って敵を斬るのもかっこよくて気持ちよかったです。

大きな太陽を背に高笑いする一幕のラストシーンはとても印象的でした…!

 

ここで、30分の幕間。

あらかじめ買っておいたお弁当をいただきます。

お弁当については次のブログで紹介する予定です。

 

さて、第二幕の開演です。

二幕でも米吉さんが大活躍!

焼津のシーンで、おそらくまだ倒れてはいけなかった草が先に倒れてしまったような…?

そのとき、米吉さんがきゃっ!っと團子くんにしがみついたのです。

アドリブで怖がるそぶりを入れることで、草が倒れたこともハプニングではなく演出だと思わせようとしたのかなと思いました。

一度しか観ていないので真偽のほどはわかりませんが…

もしそうだとしたら、米吉さんさすがの判断力です!

 

同じく焼津のシーンは男性陣もかっこよかった!

團子くんと、タケヒコ役の中村福之助さんがメインとなる火のシーン。

たくさんの火の精と赤い旗で燃え盛る炎を表現していて、絶えずツケの音も鳴っていて、とても盛り上がる場面でした。

かっこよかったな〜!

 

ツケとは

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海のシーンもよかったです。

海に畳を24枚浮かべて…ってどう表現するのだろう?と気になっていましたが、なるほど。ちゃんと情景を表していました。

このシーンの米吉さんもよかった!

弟橘姫は狂ってなどおらず最後までヤマトタケルを愛しているのですが、愛ゆえにあえて狂ったようなことを言って入水するのです。

でも、帝(となったヤマトタケル)の皇后になりたかったというのは本心だろうな…

それが実現しないことをわかっていたから、せめて愛するヤマトタケルのために自分が犠牲になろうとした…

物悲しくて、とても美しかったです。

弟橘姫を失った直後の、それこそ狂ったような團子くんのヤマトタケルもよかった…!

 

ところで、一幕二幕は大向うさんご不在だったのかな…?全く声がかからなかったです。

もちろんそんなこともあるのでしょうが、ここ!という場面で掛け声がないと寂しいですね。歌舞伎の醍醐味なので。

三幕では掛け声があって嬉しかったです。

 

そして、第三幕。

團子くんのヤマトタケルに加え、福之助さんのタケヒコと中村歌之助さん演じるヘタルベがメインに。

タケヒコとヘタルベは、性格が対照的…というか、たぶん同じことを考えているのに表出の仕方が違う2人です。

ヤマトタケルの死後、ヤマトタケルの大切な存在である兄橘姫とワカタケルのために帝のところに行こうとすぐ決めるタケヒコと、ヤマトタケルが生きているうちに報われなかったことに疑問を感じ、帝のところに行くことを躊躇するヘタルベ。このシーンが印象的でした。

三幕ではヤマトタケルが左右にタケヒコとヘタルベを従える構図が多く、この2人は常に対の存在でした。

実際に演じられた福之助さんと歌之助さんがご兄弟ということもあり、タケヒコとヘタルベが兄弟であるような錯覚を何度も起こしました(笑)

 

福之助さん歌之助さんご兄弟、今までノーマークだったのですが、いい役者さんですね…!

福之助さんは若いのに発声がしっかりしているなという印象。

歌之助さんはステップが軽やかで、ヘタルベの役によく合っていました。

 

ヤマトタケルのお葬式が終わり、誰もいなくなったお墓。

予習していたので「白鳥になったヤマトタケルが飛び立つ」ということは知っていたのですが、勝手に素朴な白鳥をイメージしていました。

ですが中から現れたのはとても大きくきらびやかな白鳥。ものすごいオーラに圧倒されてしまいました。

生前に偉業を成し遂げたからこそ、死後もあのような姿になることができたのでしょうか。

 

そして、宙乗りのシーン!

生で宙乗りを見たのは初めてだったような…初めてでないような…

映像で何度も見ているので少し曖昧ですが、少なくともあれほどの近さで見たのは初めてです。

緊張した…!

白鳥といえども、まっすぐに飛んで捌けてしまうものではないんですね。

少し進んだかと思えば戻ってきて、観客にアピールして、また進んで…を何度か繰り返してくれて、思いのほか長いなと感じました。

ストーリー上というよりは、観客へのファンサービス的な意味合いが強いのかもしれません。

盛大な拍手に送られて團子くんが捌け、本編は終了です。

 

この後のカーテンコールがとっっってもよかったんです…!

三幕の終盤、ヤマトタケルがタケヒコたちに「カシの葉をかんざしにすると長生きできるから、大和に戻ったらしなさい」と言って亡くなるのですが、タケヒコたちが大和に着く前に物語が終わるので実際にかんざしにするシーンは出てきません。

ですが、カーテンコールでは役者さんの多く(物語が終わった時点で生きていた登場人物かな?)が頭にカシの葉をつけて登場します。

本編では泣かなかったのに、ここで初めて泣いてしまいました。

こういう粋な演出、大好きです。

みんなヤマトタケルの分まで長生きしてね…!

 

もう1つ、カーテンコールの米吉さんもよかったです。

米吉さんは、弟橘姫の赤の衣装で登場しました。

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メインキャストなのにやけに登場が早いなと思っていたら…まさかの!そのまま袖に捌けたのです。

その後順当に役者の皆さんが登場し、満を持して再び登場する米吉さん!

今度はお葬式のシーンで着ていた白の喪服。兄橘姫です。

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ワカタケル役の子役の子も連れています。

歌舞伎に限らず、1人で2役を演じる舞台はいくつも観たことがありますが、カーテンコールでの早替りは初めて見ました。

すごかったな…!

 

そしてそして、帝役の市川中車さんに示されて、主役の團子くんが登場。

主役としての誇りを感じる、堂々たる佇まいです。

 

第一幕の序盤、少年時代の小碓命を演じる團子くんには正直、声が細いかな…?と思ってしまったのですが、その後徐々に発声がしっかりとしてきて、ヤマトタケルの成長に合わせて演じ分けていたことに気づきました。

三代目市川猿之助さんが初めてヤマトタケルを演じたのは46歳。四代目は36歳。

共に、ヤマトタケルが没したと言われている30歳(諸説あり)を過ぎています。

ですが、團子くんはまだ20歳。

まだ経験していない年齢の役を演じなければならなかったのです。

それをきちんと演じきり、少年時代からの成長も見せてくれて、すごい役者さんです。

惜しみない拍手で賛辞を伝え、公演は終了しました。

 

数年前から続いた澤瀉屋のあれこれ…

当時まだ10代だった團子くんは、少なからず心を乱されたのではないかと思います。

ですが、それを微塵も感じさせず、むしろ好機とばかりに大役を全うする姿には心を打たれました。

若くして(おそらく想像していたよりも早く)重責を担うこととなった團子くん。

その苦労を計り知ることはできませんが、どうかこのまま健やかに役者道を極めて、成長の様子を見せていただけたら嬉しく思います。

團子くん、いや、市川團子さんをこれからも応援していきます!

 

ここから先は予習した内容をまとめたものなので、特に観劇のご予定がない方は飛ばしてください。

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

 

 

予習した内容

公式HP

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出演者

Notionに作ったまとめページスクリーンショットです

用語

あらすじ

小碓命、父帝の命で熊襲を制圧、ヤマトタケルを名乗る

舞台は大和の国。帝には双子の兄弟の皇子(みこ)がいた。母を早く亡くした兄弟の兄大碓命と弟小碓命(おうすのみこと)、後のヤマトタケルだ。小碓命は武勇に富んだ心優しい19歳の青年。帝の命に従って九州の熊襲征伐に行き、館へ踊り子に身をやつして潜入し、熊襲の国を治める兄タケルと弟タケルを討ち果たす。兄大碓命の役との早替わり、樽を投げ合って宮殿の壁などを壊す迫力十分の大立ち廻りが見どころ。敵であった弟タケルの願いから名前を受け継いだ小碓命ヤマトタケル(大和のタケル)と名乗ることになる。

天の村雲の剣を賜り、東国征伐に向かう

大和の国へ戻ったヤマトタケルだが帝は次から次へと過酷な使命を言い渡す。兄橘姫(えたちばなひめ)と婚礼を挙げたものの東の蝦夷を征伐するため出立する。その途中、叔母・倭姫と弟橘姫(おとたちばなひめ)が暮らす伊勢の大宮に立ち寄って倭姫に父への真情を訴え、天の村雲の剣という神宝を与えられる。従者タケヒコと共に東国へ旅立ったヤマトタケル。相模の国の焼津では国造ヤイラムから火攻めに合うのだが、神宝雨の村雲の剣で草を薙ぎ払い、逆に火をおこして窮地を逃れる。剣は以後草薙の剣と呼ばれる。ここは赤旗を使った敵の武者と格闘が見もの。野焼きの場面はスピード感に溢れた立ち廻りで圧巻。走水の海上ではタケルを慕って同行していた弟橘姫が荒れ狂う海に船から入水する。海の神にその身を捧げてタケルを救うのだが、二十四枚の畳と浪布を使った場面が効果的な演出である。

都を目前の伊吹山にて力尽き、白鳥となる

壮大なスケールの物語のクライマックスへと向かっていきます。ようやく東国を平定したヤマトタケルは帰還の途中、尾張の国造の娘みやず姫を妻とすることになる。その席でまたしても帝からの新たな役目を伝えられる。都に帰る前、伊吹山の山神を征伐せよというのだ。焼津の闘いを切り抜けた草薙の剣をみやず姫に預けて伊吹山に向かう。しかし神宝の剣を置いてきたのを知った山神はタケル打倒に燃えるのだった。伊吹山に誘い込まれたタケルは白く大きなイノシシと死闘になる。白猪は山神の化身。吹雪の中、姥神は術で大量の雹を降らし、雹に打たれたタケルは致命傷を負いながら辿り着いた伊勢の国・野煩野でついに力尽き、世を去ってしまう。志貴の里で営まれる盛大な葬儀。兄橘姫との間に生まれたワカタケルが日継の皇子と決まった後、誰もいなくなった墓から一羽の白鳥が飛び立つ。天空を高く行く白鳥はタケルの魂だろうか。「天翔ける心、それが私だ!」。場内に響き渡る声が美しく感動的な幕切れとなります。

引用元

enmokudb.kabuki.ne.jp

スーパー歌舞伎

江戸歌舞伎の要素(踊り、ツケ入りの見得、隈取りの化粧、台詞の合方としての音楽など)と、現代人に通じるテーマ性を持ったストーリーのある新作歌舞伎の実現

派手な立ち回りと骨太な人物描写セリや宙乗りをフル活用した大掛かりな舞台装置、煌びやかな衣装、下座音楽と現代劇音楽の要素を併せた音楽による一大スペクタクルである。

「天翔ける心」が物語にたびたび登場するキーフレーズ 

2012年に三代目市川猿之助市川猿翁襲名、市川亀治郎の四代目市川猿之助襲名、三代目の実子で映画やドラマで活躍していた香川照之市川中車襲名、香川の息子政明の市川團子襲名の際に襲名披露興行の演目のひとつとなった際は、「親子の確執」をテーマとしていることから話題となった。

引用元

ja.wikipedia.org

2012年キャスト

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参考情報

Wikipedia

ja.wikipedia.org

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その他

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