徒然なるまま

日々の記録

『生誕50周年記念!!大泉洋リサイタル in 武道館』感想【後編】

こんにちは。

前回に引き続き、『生誕50周年記念!!大泉洋リサイタル in 武道館』の記録と感想を書いていきたいと思います。

前編はこちらから!

nonnopan.hatenablog.jp

 

ふわりの歌唱中にセンターステージの床が下がり、何やら作業している大人が見えて気になっていました。

ふわりが終わると同時にせり上がってきたのは、まさかのグランドピアノ…!

え、誰が弾くの!?と混乱している間に、本日の主役が堂々とピアノに向かいます。

ざわざわしていた客席から、黄色い声が上がります。

 

大泉さんが鍵盤に指を置き、和音を2つほど奏でます…が、「いひひ…!」と笑い出し、弾くのをやめてしまいます。どうやら間違えてしまった様子。

観客みんな笑って、弾き直しを見守ります。

ですが、2度やっても、3度やっても、上手くいきません。

3度ほどトライしたところで「思い出した!」と言い、会場全体にほっとした空気が流れました。

大泉さんは編集点を作るために一度ピアノから離れ、飲み物が置いてある台のほうに戻ります。

そして観客をもう一度盛り上げ、声援を受けながら満を持してピアノの前に座り直します。

再度ピアノに手をかけますが…またも失敗してしまいます。

 

結果的に、(後日みたネットニュースによると)計7回失敗してしまい、そのうち3〜4回は編集点を作るために飲み物の台まで戻っていました。

ホールツアーでは1度も間違えたことはなかったらしく、「武道館には魔物がおるな…!」と少し冗談めかして言いながらも、悔しい気持ちが伝わってきました。

直前のMCで、武道館は少しでも時間をオーバーすると超過料金を支払わないといけないという話をしていたのがフリとなり、「スタッフさんごめんなさい!時間オーバー覚悟しておいてください!超過料金は俺が払うから」と…

だんだんと追い込まれていき、途中でたまらずしゃがみこんでしまう場面も。

これを見ていて、胸が締め付けられました。

 

ようやくミスの沼から抜け出し、弾き始めたのは『ハナ〜僕とじいちゃんと』 。

聴き慣れたイントロ部分は危なげなく弾ききり、そのまま1番のサビまで1人でピアノ弾き語りを披露してくれます。

観客、バンドメンバー、スタッフさん皆が祈るような思いで大泉さんを見守り、大泉さんは1万3,000人の注目を浴びながらたった1人で歌い、奏でます。

無事にソロパートが終わり、バンドが合流した瞬間、会場からは割れんばかりの拍手が…!

 

写真はこちらのページからお借りしました

 

大泉さんほどの大物芸能人で、紅白出場や司会も堂々と務め上げた方があれだけ緊張するなんて、この武道館公演にいったいどれだけの思い入れがあったんだろう…

ミスの沼にはまってしまったとき、このままずっと弾けなかったらどうしよう…と本人がいちばん不安だったと思いますが、観客もおそらく皆、少なからず同じ思いを感じていました。

やっと成功して、みんなで大合唱したシャララワララ、私はこの先絶対に忘れないと思います…!

 

演奏をバンドメンバーにバトンタッチして最後まで歌いきった後、大泉さんが「もう1回やっていい?」と再度ピアノの前へ。

少し怪しい部分もありましたが、落ち着いて最初から弾き直し、無事に1コーラスやり切りました!

 

ここでMC。

直前のハナはシモシモさんにお願いして、イントロの前にオリジナルの前奏部分をつけてもらったとのこと。

いつものイントロから先は完璧に弾けていたので、2〜3度失敗してしまった時点で、オリジナルイントロを諦めていつものイントロから弾くことだってできたはず。

それをせずに、自分でやると決めたことを完遂する姿がかっこいいなと思いました。

 

TAKUROさんと玉置浩二さんについてのお話も。

TAKUROさんには「GLAYっぽいかっこいい曲は自分には合わないので、もう少し優しい曲を」と発注したとのこと。

玉置さんは「難しいことは考えずに故郷を思い出して歌って」と言ってくれたそう。

それから『あの空に立つ塔のように』のモデルとなった、「百年記念塔」のお話。

大泉さんが子どもの頃に、遠足や、宿題の絵を描くためによく行ったと。

お父さんが描いてくれた、どう見ても子どものタッチじゃない絵を学校に提出したお話も(笑)

 

そんな『あの空に立つ塔のように』を、(アンコール前)最後の曲に。

もちろんとてもいい曲!だったのですが…

曲中にスマホのライトをペンライト代わりに振っている方がたくさんいて「ペンライト持込禁止のはずなのにいいの…?みんな振ってるし、もしかして事前にアナウンスされてた…?」などと気になってしまい、曲の前半は集中できませんでした…

後からXで検索したところ、東側にいたバンドメンバーの方がスマホを振って、観客にも振るよう合図していたとのこと。

なので、誰も全く悪くはありません!

ただ、私は西側にいたのでその事情がわからず気になってしまったな…

とはいえ、私もこの曲には光があったほうが素敵だと思ったし、モニターに映った大泉さんの背景がキラキラしていてとても綺麗な光景でした!

 

曲の最後のほう「今はもう無い あの高く古い塔」のあたりでモニターに百年記念塔が映し出されます。

MCで先に塔の思い出を語ってから歌に繋げた大泉さん、さすがだなと思いました。

この曲に出会うまで存在すら知らなかった、遠い北の大地の塔

まるで私にも、幼少期に塔に通った思い出があったかのような、懐かしく少し切ない気持ちになりました。(ふわりの上京エピソードといい、歌詞に共感しがち)

 

余韻を残しつつ、大泉さんとバンドメンバーの皆さんが捌けます。

大きな拍手を一身に受けて、大泉さんはとても輝いていました!

 

捌けた皆さんへの拍手が鳴り止まないうちに、つまりまだアンコールに移り切らないくらい早く(笑)、大泉さん再登場です。

このときは「大泉洋リサイタル in 武道館 Tシャツ」の上に白いふさふさのジャケット(?)を羽織っていました。

 

「どうせ出てくるんだろみたいなアンコールありがとうございます!」でひと笑いとった後、バンドメンバーの皆さんを紹介してくれます。

ひとりひとりに、今日の感謝を込めて精一杯の拍手を送ります。

知っている方はNAOTOさんくらい…と思っていたら!まさかのコーラスに小此木麻里さん!

『PARAMUSHIR』を生で観て号泣したあの日を思い出します。

それにしても、仲がいいのは知っていましたがラプンツェル声優さんをコーラスに据えて中心で歌っちゃう大泉さん、さすがの人望です。

そしてNAOTOさん!

リサイタル中、大泉さんは全方向の観客に顔を見せるよう気を使ってぐるぐるぐるぐる回るのですが、バンドメンバーは基本的にずっと同じ場所で演奏します。

NAOTOさんがちょうど目の前にいたので、バイオリンを弾く姿やコーラスする姿を見られて嬉しかった!

 

さて、バンド紹介も終わり、アンコール1曲目は東京公演だけの特別な曲とのこと。

観客の期待が高まります。

 

始まったのはマイケル・ジャクソンの『Man In The Mirror』。

私はこの曲をちゃんと知らなかったのですが、大泉さんのマイケルモノマネは好きなのでノリノリで聴きます。

 

写真はこちらのページからお借りしました

 

曲の中盤、バンドメンバーが楽器を置いてセンターステージに上がってきました。舞台裏にいたスタッフさんたちも花道に広がってみんなで大きく手拍子!

ここまで長期間準備して、全国周って、みんなで作り上げてきたステージなんだなとジーンとしました。

 

曲を終え、大泉さんは「何勝手にステージ上がってきてんのよ!」とツッコミますが、その後にちゃんと説明してくれます。

この曲だけは、バンドメンバーが事前に演奏して録音したものを流した。既存の音源ではなく、バンドメンバーが自らオリジナルっぽい音を探して音源を作ったと。

プロの皆さんの技術に感服。プロを尊敬して、きちんと立てる大泉さんも素敵です!

 

さあ、いよいよフィナーレです!

大泉さんが観客を煽ります。客席のボルテージも最高潮!

 

2曲連続の歌唱です。まずは『バカね...冬』。

大泉さんと20歳以上の歳の差がある私、対本人でなくても普段は「洋ちゃん」なんて呼べません。

ですが、このときばかりは堂々と呼ばせていただきました。

「エル・オー・ブイ・イー レッツゴー洋ちゃん!」

 

そしてこれが本当に最後。『バカね』です。
「ここは豊平きたえーる」の部分は替え歌してくれるだろうなと思ったらやっぱりやってくれました。

「ここは〜とうきょう〜ぶどう〜かーん〜」観客がわあ!と湧きます。

そしておそらく皆が楽しみにしていた部分。「今日だけは互いに叫ぼう〜」

今日の楽しさ、感動、感謝、終わってほしくない気持ち、すべての感情をぶつけて全力で叫びます。

「「愛してるよぉー!」」

 

写真はこちらのページからお借りしました

 

会場中が一つになった瞬間でした。

そして、最後も素敵に替え歌してくれます。

「きょうは 晴れのそーら〜」

実際は曇天だったけどそんなことは関係ありません。きっと公演時間中、武道館上空だけは快晴だったことでしょう。

最後のららら…の大合唱。本当に感動的でした…!

 

歌が終わり、再びバンドメンバーをセンターステージに呼びます。

横一列で手を繋いで一礼。

 

写真はこちらのページからお借りしました

 

力いっぱい手を叩いて賛辞を送ります。

先にバンドメンバーが、最後に大泉さんが捌けて、終了です。

会場が明るくなり、「以上をもちまして、本日の公演は…」のアナウンスが流れ、ああ本当に終わってしまったんだな…と実感しました。

 

公演中のどのタイミングでのことか忘れてしまったので番外編的にここに書きますが、いつもながらMCもおもしろかったです!
お客さんの「福山さんはー?(出ないの?)」に対し「来るわけねーだろ!なんで俺より人気ある人呼ばないといけないんだ!」「なんでこんなチケットとれないのかと思ったら、福山さん目当てで来てる人がいるのか!」と(笑)

 

そのまま「福山さん来ないけど福山さんの話しますね」と、福山さんの話をしてくださるサービス精神。

「初耳学観ました?」

たまたま福山さんゲスト回(大泉さんVTR出演)を観ていた私、歓喜です。

番組では大泉さんの鉄板ネタ、長崎空港でのVIPルームの話をしていたのですが、分からない方のために武道館でもその話を一通りしてくれます。

そしてそのお話には続きが…

 

初耳学で長崎空港エピソードを話したところ、福山さんは律儀なのでわざわざお礼のメールをくれた。

その内容というのが「トークの序盤に「同情されたくなかったんでしょうね」を入れることによって、スター(である私=福山さん)の人間味が感じられ、オチがより生きるようになりましたね」というもの。

そんなこと考えてないわ!と大泉さん、全力でツッコんでいました(笑)

大泉さん曰く「古典とも言える」その話は、確かに聞くたびに少しずつアップデートされているからおもしろいんですよね。

 

武道館は全方向に客席があるので、大泉さん用のカンペ(?)を表示するモニターが全方向に置いてありました。

本当は大泉さん用のものなのですが、双眼鏡で見ると文字まで読めてしまう。

例えば歌のとき、歌い慣れた古い曲は歌詞だけしか表示されないのですが、コラーゲン。などの新曲は、歌詞の合間にブレスの位置や、「すぐ(たぶん休符なしの意)」とか「ウン(半拍休みの意)」とか書いてあり、おもしろかったです。

 

MCのときは、そのモニターに大泉さんが話す内容、例えばスタッフさんが用意したと思しき「腕時計できた?」「(アルバムの)告知」や、本人が用意したと思しき「母の独演会」「父の応援隊」などエピソードトークの見出しのようなものが表示されていました。

そんな中、大泉さんが福山さんの話を始めた途端、長文でエピソードトークのカンペが出てきてびっくり。

もともとその話をする予定だったのか、たくさんトークのネタを用意してある中で、たまたま福山さんの話が出たからそれを話したのか…

ただのお喋り好きのように見えて、観客を楽しませるためにきちんとトークを準備しているところ、さすがプロ!という感じで尊敬します。

 

ああ、改めて本当にいい公演でした…!

この文章を書いている時点で公演から9日経ってしまっているのですが、まだ感動を引きずっています。

絶対にDVD化してほしい…!CUEさん何卒よろしくお願いします…!

 

さて、公演が終わり規制退場で会場を出た後は、開演前に見られなかった黄金像を見にいきます。

私は会場を出るのが最後のほうになってしまったので、黄金像のほうに向かうと既に長蛇の列が。

最後尾にいたスタッフさんが「ここからだと鑑賞までに1時間半ほどかかります!」と声を出しています。

真冬の寒空の下、1時間半か…と思いますが、先ほどまでの感動も相まって「せっかくだから見たい!」とほぼ悩まずに列に加わります。

時間を確認するのを忘れてしまったので実際にどれくらい並んでいたのかは覚えていませんが、列の長さの割には回転が早く、1時間も待っていないような体感です。

 

大泉さんの等身大(より少し小さい)黄金像と肖像画を順に見て、写真を撮って、わずか20秒ほどで鑑賞タイムは終了です。

 

 

 

この機会を逃したら二度と見られないかもしれないので、見てよかった!

あの像はリサイタルが終わった今どこに保管されていて、今後どうなるのでしょうか…

少し気になる…

 

さて、これにて当日の記録は終了です。

最後に少しだけ総括的な感想を。

大泉さんは、YouTube『ステキなお知らせがございます』でも「アルバムなんて生涯に1枚でいい」と話していたし、このリサイタルのことも「歌の集大成」と表現していました。

このリサイタルで大泉さんが満足してしまったら、こういった歌のイベントはもう開催されないかもしれない…と寂しさを感じていましたが、ハナのピアノで少し悔いの残る終わり方をしたことによって、本人がリベンジを希望しているという、私たちにとって嬉しい形となりました。

大泉さん本人としてはもちろんミスなく完璧にやりたかったと思うので、このようなことを言うのは失礼だとは思いますが…

一観客としては、あのミスがなかったら100点の公演だったけど、あの時間に感じた切なくて愛おしい感情を含めて120点の公演だったと感じています。

 

本当に素敵な時間でした。関わったすべての人に伝えたい。

「愛してるよぉー!」

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました!